2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

幕末維新

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北方謙三版新選組が楽しみ

北方謙三さんというと、『武王の門』から始まる南北朝物や『三国志』や『水滸伝』といった中国時代物など、熱い漢(おとこ)たちを描かせたら天下一品である。先日、TVを見ていたら、シガーや酒、万年筆など、北方謙三さんのライフスタイルを取り上げていた...
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時代ヒーロー小説、最高の見せ場

エンターテインメント時代小説で、ヒーローの最高の見せ場の一つが、命を懸けて愛する者を救いに行くシーン。とくに主人公が、囚われの身の恋人を助けに赴くが、邪悪で権力をもつ(ときには好色な)敵が前に立ちはだかる。しかも、そこは警固が厳しく、難攻不...
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幕末の佐賀藩と葉隠

『アームストロング砲』は、英国のアームストロング社が開発したアームストロング砲を輸入し、その2年後に日本で初めて製造した佐賀藩のプロジェクトXを描いた短篇。長州藩や薩摩藩が尊皇攘夷や倒幕で燃え上がっている中で、中立を守り、ひたすら西洋風の富...
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レスラーじゃない上田馬之助

司馬遼太郎さんの『アームストロング砲』に収録されている「斬ってはみたが」という短篇に、上田馬之助が登場する。上田馬之助といっても、「まだら狼」のニックネームを持ちヒール役として活躍された元プロレスラーの馬之助さんではない。馬之助さんは、19...
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会津人の誇りと戊辰戦争

戊辰戦争を描いた時代小説は白虎隊の話など、悲惨そうで食わず嫌いのところがあった。そんな苦手意識を変えてくれたのが、中村彰彦さんの時代小説。会津藩士たちの生き様の過酷さを感情的に描くのではなく、史料を丹念に掘り起こして美しい小説に紡ぎ出してい...