『傑作! 名手たちが描いた 小説・鎌倉殿の世界』の解題を担当しました。

「2016年10月の新刊 上」をアップ

風花帖2016年10月1日から10月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2016年10月の新刊 上」を掲載しました。

今回注目しているのは朝日文庫です。葉室麟さんの『風花帖(かざはなじょう)』が文庫化されて刊行されます。

江戸後期の九州・小倉藩。勘定方の青年・印南新六には、生涯をかけて守ると誓った女性・吉乃がいたが、彼女は運命のほころびによって他家に嫁いでしまう……。そして、後に「白黒騒動」と呼ばれる争いに藩全体が巻き込まれてゆくなか、吉乃とその家族を守るため、新六は意に染まぬ刺客となり己の命を懸ける……。

「白黒騒動(しろくろそうどう)」とは、文化十一年(1714)に豊前小倉藩で実際に起こったお家騒動。六代藩主小笠原忠固が幕府の老中になることを望み、猟官運動を画策し金をばらまいたために、藩財政が悪化し破綻寸前になったことに端を発しています。小倉城にとどまった一派を白(城)組と呼び、他の一派は隣の福岡藩領である筑前国黒崎に出奔したので黒(黒崎)組と呼んだそうです。

お家騒動は時代小説を面白くさせるテーマの一つですが、「白黒騒動」を描いた作品は読んだことがありませんでした。葉室さんの傑作を堪能しつつ、この機会に「白黒騒動」とはどんな事件だったのか、学びたいと思います。

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『風花帖』

→2016年10月の新刊 上