捕物

剣豪

愉しいチャンバラ小説の時間は終わり

荒崎一海さんの『孤剣乱斬』を読み終えた。『闇を斬る』シリーズの最新刊だが、3カ月に1作のペースで刊行され、気がつけば7作目になる。主人公鷹森真九郎の振るう弧乱の剣、霧月が、卑劣な悪事の限りを尽くす集団“闇”の頭目・鬼心斎の繰り出す刺客たちと...
市井人情

霊岸島って江戸っぽいなあ

千野隆司さんの『大川端ふたり舟』を読み終えた。『大川端ふたり舟』は、「霊岸島捕物控」とサブタイトルが付けられている通り、霊岸島を縄張りとする岡っ引きの娘・お妙が活躍する捕物小説である。大川端ふたり舟 (学研M文庫―霊岸島捕物控 (ち-2-2...
市井人情

文化三年の大火を描いた時代小説

千野隆司さんの『大川端ふたり舟』を読んでいる。文化三年(1806)三月四日に起きた、江戸の三大大火の一つで、後に「車町の大火」と呼ばれる火事を描いた捕物小説である。大川端ふたり舟 (学研M文庫―霊岸島捕物控 (ち-2-2))作者: 千野隆司...
妖・ホラー

時代考証もしっかりした、ファンタジー捕物帖

畠中恵さんの『ねこのばば』を読んだ。畠中さんは、都筑道夫さんの影響を受けた作家の一人である。そのせいか、都筑さんの捕物シリーズ『なめくじ長屋捕物さわぎ』シリーズに通じる共通点が見られる。ねこのばば しゃばけシリーズ3 (新潮文庫)作者: 畠...
市井人情

脇役が語る『脇役』の魅力

北原亞以子さんの『脇役 慶次郎覚書』を読み終えた。「慶次郎縁側日記」シリーズの脇役たちが、一話完結で入れ替わりで主役を張るという趣向が楽しい。辰吉、吉次、佐七、皐月といった重要な脇役陣の別の顔やバックグラウンドが描かれていて身近に感じられて...