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市井人情

この世で一番恐ろしい人間を描く、陰陽師小説

『逆髪』は土御門家の陰陽師・笠松平九郎が活躍する連作時代小説。陰陽師ものといっても、「この世で一番恐ろしいのは人間、物の怪などおりますまい」と主人公に語らせている。京の町と人情、文化が楽しめる。逆髪―土御門家・陰陽事件簿〈4〉 (光文社時代...
市井人情

土佐への郷愁と深川の粋―『牡丹酒』

年末年始に山本一力さんの『牡丹酒』を読んだ。一力作品で、日本酒、土佐と、年末年始っぽい感じがして選んだ一冊。牡丹酒 深川黄表紙掛取り帖(二) (講談社文庫)作者: 山本一力出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/10/15メディア: ...
市井人情

赤穂浪士と近松門左衛門が兄弟!?―『忠臣蔵心中』

師走を迎えると、赤穂浪士の吉良邸討ち入りの日(12月14日。といっても当時は旧暦になるわけだが)がクローズアップされるせいか、忠臣蔵をテーマにした時代小説が読みたくなる。今年は、バタバタしていたせいか、TVを以前ほど見なくなったせいか、12...
ミステリー

小さなヒロイン、ほうに心が洗われる感涙の時代小説―『孤宿の人』

宮部みゆきさんの『孤宿の人』を読んでいて不覚にも涙を流してしまった。目の前で新聞を読んでいた妻に気づかれないように、こっそり洗面所に行き、顔を洗った。でも、この涙は洗い流すのは惜しい、感涙だった。孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)作者: 宮部みゆ...
女性

ハートウォーミングな新感覚時代小説『ガールズ・ストーリー』

あさのあつこさんの『ガールズ・ストーリー』を読んだ。時代小説らしからぬタイトルが『文蔵』に連載していたころ(2008年7月~2009年6月の連載。連載時のタイトルは「当世侠娘物語――ガールズ・ストーリー」)から気になっていた作品。ガールズ・...