女性 娘料理人の成長と江戸の人情を描く傑作時代小説 デビュー作『出世花』で注目の高田郁(たかだかおる)さんの新作、『八朔の雪 みをつくし料理帖(はっそくのゆき・みをつくしりょうりちょう)』を読んだ。前作では江戸の女納棺師を主人公にしたが、今回は上方・大坂から江戸にやってきた料理人の澪(みお)... 2020.10.12 女性市井人情江戸
中国 『血涙』―「義」という言葉の重さを再認識 「愛し合ってるかい?」の言葉をいつも投げかけていた、ロッカーの忌野清志郎さんは亡くなってしまった。訃報に触れて、かつて何度も聞いた歌が流れ、生前の映像が流されると、切なくなってしまう。合掌。清志郎さんのおかげかどうかはともかく、今、日本には... 中国
剣豪 娘剣客から夫婦剣客へ―「剣客春秋」の新展開 鳥羽亮さんの『剣客春秋 里美の涙』を読んだ。一刀流中西派の千坂道場の道場主・千坂藤兵衛と娘・里美が活躍する人気剣豪小説シリーズの第6弾である。前作『恋敵』で、門弟の彦四郎と所帯をもった里美がどのような新妻ぶりを見せるか興味津々で読み始めた。... 剣豪江戸
中国 『楊家将』―北方中国時代小説に魅了される 北方謙三さんの『楊家将(ようかしょう)』上・下巻を読んだ。第38回吉川英治文学賞受賞作で、折紙つきの名作であることは疑う余地はないが…。時代小説愛好家の私としては、中国時代小説は守備範囲外で、北方さんには南北朝や江戸時代を舞台にした作品を書... 中国
市井人情 シリーズ名物男の蟋蟀小三郎の弱み 佐藤雅美(さとうまさよし)さんの『泣く子と小三郎』を読む。『影帳』『揚羽の蝶』『命みょうが』『疑惑』に続く、材木町の腕利きの岡っ引半次が活躍する「半次捕物控」シリーズの第五作目。本書は、タイトルにあるように、半次が疫病神と嫌う、蟋蟀小三郎(... 市井人情捕物江戸