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粧刀

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[amazon_image id=”406263886X” link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]粧刀(チャンドウ) (講談社文庫)[/amazon_image]
粧刀

(チャンドウ)

杉洋子

(すぎようこ)
[戦国]
★★★☆☆☆

九州、朝鮮半島など東シナ海と海を舞台にした時代小説を描く作者の第一作品。『異人館』の解説も書かれていたので、気になっていた。

最近、朝鮮半島と日本の歴史的な関係を描いた作品に興味をもつようになった。そんな中で目にとまったのが、杉さんの作品だ。杉さんは、京都・伏見生まれだが、現在、九州に居を移しているという、最近も、『海峡の蛍火』(集英社)を刊行している。

タイトルの粧刀(チャンドウ)とは、両班(ヤンパン。文武の特権的な身分を保つ上級官僚層)の女が用いる護身用の短刀。懐剣のようなもの。

両班の娘で、前途有望な文官候補生の宗元の美貌の妻・風蓮と、彼女に仕える「伽や(人偏に耶)」。秀吉の朝鮮出兵で、歴史の渦に巻き込まれ、苛酷な運命に翻弄される、対照的な二人の女を描く意欲作。

物語●若き文官候補生・梁宗元(ヤンチョンウォン)の家に、幼なじみの武官・李自溶(イチャヨウ)がやって来た。釜山浦(プサンポ)の巡察から帰って来た自溶は、倭が攻めてくることを告げた末に、宗元と喧嘩別れをした。宗元には、その年待望の男児をもうけた妻・風蓮(プヨン)がいた。小作人の娘で、七歳のときから三つ上の風蓮に仕えていた「伽や」は、倭の来寇に先行きの不安を感じた…。

目次■第一章 侵略/第二章 異郷/第三章 逃亡/第四章 屋代島/第五章 祖国の船/解説 縄田一男

カバーデザイン:永原康史
解説:縄田一男
時代:文禄元年(1592=宣祖二十五年)、四月十二日
場所:慶尚北道・河口村、聞慶、南漢山、対馬・府中、筑前・名島城、長州・中関、大畠、屋代島ほか
(講談社文庫・648円・98/09/15第1刷・217P)
購入日:00/07/30
読破日:00/08/19

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