2023年時代小説SHOWベスト10、発表!

2016年時代小説ベスト10 文庫書き下ろし部門

アドセンス広告、アフィリエイトを利用しています。
スポンサーリンク

年末に刊行されていた『この時代小説がすごい!』(『この時代小説がすごい!』編集部・宝島社)の発行が2016年(2017年版)はありませんでした。
これまで同誌に発表していた、私、理流のベスト6は、「時代小説SHOW」のベスト10として、当サイトにて掲載します。

対象は、奥付表記が2015年10月1日から2016年9月30日発行の時代小説作品(シリーズ)で、文庫書き下ろし作品になります。単行本の文庫化は対象外です。

なお、『この時代小説がすごい!』編集部では、2016年に『この時代小説がすごい! 時代小説傑作選』(宝島社文庫)という短編小説アンソロジーを発行しています。
時代小説の目利きたちの投票による、時代短編のベスト5を収録したものです。(理流も投票しています)

順位タイトル著者出版社・レーベル
1位落ちぬ椿 上絵師 律の似面絵帖落ちぬ椿 上絵師 律の似面絵帖千野みさき光文社・光文社文庫
律は、失意のうちに死んだ父の跡を継ぎ、布に家紋や模様を描く上絵師として独り立ちを目指すが、なかなか仕事がない。副業として奉行所の似面絵描きを様々な事件にかかわっていく。恋に仕事に、悩み葛藤しながらも前向きなヒロインから目が離せません。
2位素浪人半四郎百鬼夜行(六) 孤闘の寂素浪人半四郎百鬼夜行 シリーズ芝村凉也講談社・講談社文庫
素浪人半四郎は、聊異斎と捨吉を救うために噴煙煙る浅間山麓に。ノンストップで展開していく超絶伝奇アクション。対象期間中に『(六) 孤闘の寂』、『(七) 邂逅の紅蓮』、『(八) 終焉の百鬼行』の3冊が刊行されています。
3位虫封じ〼虫封じ〼(むしふうじます)立花水馬文藝春秋・文春文庫
貧乏長屋で虫封じ(加持祈祷)を生業にする若者・薄羽影郎の活躍を描く。妖怪小説と捕物帖が融合され、2つの味が楽しめる作品。
4位あきない世傳金と銀(二)早瀬篇あきない世傳金と銀 シリーズ髙田郁角川春樹事務所・ハルキ文庫
次々と襲う試練の数々と、一つずつ乗り越えて成長していくヒロイン・幸。五鈴屋のご寮さんになって、店をどう立て直すのか。次巻が待ち遠しいシリーズです。
5位付添い屋・六平太 朱雀の巻 恋娘付添い屋・六平太 シリーズ金子成人小学館・小学館文庫
恋仲のおりきが突然、六平太の前から姿を消すが…。名脚本家の本領発揮で、一話一話が上質な時代劇のよう。対象期間中に『朱雀の巻 恋娘』『鳳凰の巻 強つく女』『麒麟の巻 評判娘』の3巻が刊行されています。
6位出世侍(二) 出る杭は打たれ強い出世侍 シリーズ千野隆司幻冬舎・時代小説文庫
百姓から憧れの武士へと出世した藤吉は、奉公先の旗本家で同僚や上役から意地悪や妨害を受ける……。テンポ良いストーリー展開と、主人公の前向きな生き方で、気持ちよく読めます。
7位猫と漱石と悪妻猫と漱石と悪妻植松三十里中央公論新社・中公文庫
夏目漱石の妻・鏡子を主人公にした物語。文豪一家の順風満帆ではない、四苦八苦の生活ぶりを通して、夫婦愛・家族愛が描かれています。
8位歌川国芳猫づくし歌川国芳猫づくし風野真知雄文藝春秋・文春文庫
絵師・歌川国芳の晩年の日常と事件を描いた7編から連作形式の短編集。国芳の猫の寄せ絵(だまし絵)を想起させる、秀逸な作品。
9位手蹟指南所「薫風堂」手蹟指南所「薫風堂」野口卓KADOKAWA・角川文庫
辻斬りから老人を助けたことから、浪人・雁野直春は手蹟指南所の若師匠を引き受けることに。子供たちを教えながらも教えられ、自身も成長していく青春小説で読み味爽やか。
10位明治剣狼伝 西郷暗殺指令明治剣狼伝 西郷暗殺指令新美健角川春樹事務所・ハルキ文庫
西南戦争が勃発し、砲兵工廠の村田経芳と警視隊の藤田五郎(維新前は斎藤一と名乗る)は、大久保利通より西郷隆盛を助ける救出隊への参加を命じられる。幕末・明治の銃豪と新撰組の剣豪の組み合わせが面白い、冒険時代小説。

→2016年時代小説ベスト10 単行本部門を見る