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河鍋暁斎|時代小説で読む

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[か] 河鍋暁斎|かわなべきょうさい|絵師|江戸・明治

河鍋暁斎は、天保8年、浮世絵師歌川国芳に入門し、その後天保11年に狩野派の絵師前村洞和に再入門しました。
幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師、日本画家で、多くの戯画や風刺画を残しています。

池寒魚さんの『画鬼と娘 明治絵師素描』では、父の画業を継ぐ女性絵師暁翠の矜持を描いています。

池寒魚さんの時代小説では、『隠密絵師事件帖』にも、主人公の絵師で品川宿の用心棒を務める誠之進に絵の極意を教える重要な脇役として登場します。

北森鴻さんの『狂乱廿四孝/双蝶闇草子』は、河鍋狂斎の描いた幽霊画を発端とした連続殺人事件が、猿若町を震撼させるという時代ミステリーです。

同じ著者の『暁英 贋説・鹿鳴館』は、河鍋暁斎に弟子入りした、建築家ジョサイア・コンドルを描いた歴史ミステリーです。コンドルは、「暁英」という号をもらい、鹿鳴館の建設にも携わります。

河治和香さんの『がいなもん 松浦武四郎一代』には、主人公の松浦武四郎と明治になってから交流をもつ、河鍋暁斎・とよの父娘が主要な役柄で登場します。

暁斎は少年時代に歌川国芳に入門して絵を学んだことから、晩年国芳一門として行動をすることがありました。

『ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙』は、国芳の娘・芳を主人公に、明治に入って文明開化の波にもまれる国芳一門の浮世絵師たちの絵師たちの群像を描いています。。

谷津矢車さんの『おもちゃ絵芳藤』
国芳の娘たちに代わって葬儀を取り仕切ることになった弟子の芳藤に対して、暁斎は「あんたの絵には華がない」と指摘します……。

柴田よしきさんの『お勝手のあん』に、主人公のおやすが淡い想いを寄せる相手として、「なべ先生」として若き日の暁斎が登場します。

澤田瞳子さんの『星落ちて、なお』は、暁斎の亡くなった翌日から物語が始まります。女性絵師として明治、大正、昭和を生きた、暁斎の娘、暁翠(とよ)の波瀾に満ちた生涯が描かれています。

DATA
生誕:天保2年(1831年)
死没:明治22年(1889年)
出身:下総国古河石町
幼名・周三郎
号:坪山洞郁、惺々狂斎
家族:(子)暁雲(次男)、暁翠(長女=とよ)

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