2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

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藩主の正室探し。若き留守居役、血路の会津路を行く

上田秀人さんの『百万石の留守居役(六) 使者』(講談社文庫)。加賀藩前田家の若き留守居役、瀬能数馬が活躍する人気シリーズの第六弾です。加賀藩藩主前田綱紀の亡くなった正室は、親藩の会津保科家から迎えていた。格別な関係の保科家へ、若き留守居役瀬...
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猫と江戸を楽しむ、気鋭の女性作家による時代小説アンソロジー

小松エメルさん、近藤史恵さんら五人の気鋭の女性作家陣による『書き下ろし時代小説集 宵越し猫語り』(白泉社招き猫文庫)。『てのひら猫語り』に次ぐ、猫をテーマにした時代小説アンソロジーです。「旅猫」(近藤史恵)お伊勢参りを果たした猫の話をめぐっ...
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武人、密偵、俗人西行から源平の時代を裏読む

火坂雅志さんの『桜と刀 俗人西行』を読了しました。2015年2月に急逝した著者が歴史小説で描きたかった人物、西行の新たな姿に光を当てた、歴史読み物です。西行は、「漂泊の歌人」「数寄者」として、文化人としての面や聖なる部分から語られることが多...
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蹴飛ばし左門の前に、最強の敵が現る!

芝村凉也さんの『御家人無頼 蹴飛ばし左門 殺人刀無常』(双葉文庫)は、本所南割下水に住む無頼漢・三日月左門の活躍を描くシリーズ第3巻です。三日月左門によって己が立て続けに阻まれてきた赤鞘組の小頭・猿橋市之丞は、副頭目の轡田兵庫の来訪を受け、...
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厳冬の北アルプス越えをした、戦国武将・佐々成政の生き様

風野真知雄さんの本格歴史小説『沙羅沙羅越え』(KADOKAWA発行・単行本)。時は戦国時代末期。越中を支配する佐々成政は、天下取り目前の羽柴秀吉の野望を挫くため、孤軍奮闘していた。そして小牧・長久手の戦いで秀吉軍を退けた徳川家康に、今後も直...