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往年の時代小説の名手が競演、酒をテーマにしたアンソロジー

『酔うて候 時代小説傑作選』(徳間文庫)は、注目の新進時代小説家の澤田瞳子さんの編集による時代小説アンソロジーです。酒を飲んで日々の憂さを忘れたい人、過去を回想する一、酒で身を滅ぼす人など、さまざまな〈酒〉とそれをとりまく人々が登場する。〈...
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童子姿の齢六百二歳のあやかしが、日本橋小町娘と事件を解決

森山茂里(もりやましげり)さんの『犬神の弟子』(白泉社招き猫文庫)は、白児(しらちご)という童子姿のあやかしが活躍するファンタジー時代小説。白児は、髪を頭の両脇で角髪(みずら)に結って、白い水干狩衣をきた童子姿をしているが、実は齢六百二歳の...
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藩主の正室探し。若き留守居役、血路の会津路を行く

上田秀人さんの『百万石の留守居役(六) 使者』(講談社文庫)。加賀藩前田家の若き留守居役、瀬能数馬が活躍する人気シリーズの第六弾です。加賀藩藩主前田綱紀の亡くなった正室は、親藩の会津保科家から迎えていた。格別な関係の保科家へ、若き留守居役瀬...
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猫と江戸を楽しむ、気鋭の女性作家による時代小説アンソロジー

小松エメルさん、近藤史恵さんら五人の気鋭の女性作家陣による『書き下ろし時代小説集 宵越し猫語り』(白泉社招き猫文庫)。『てのひら猫語り』に次ぐ、猫をテーマにした時代小説アンソロジーです。「旅猫」(近藤史恵)お伊勢参りを果たした猫の話をめぐっ...
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武人、密偵、俗人西行から源平の時代を裏読む

火坂雅志さんの『桜と刀 俗人西行』を読了しました。2015年2月に急逝した著者が歴史小説で描きたかった人物、西行の新たな姿に光を当てた、歴史読み物です。西行は、「漂泊の歌人」「数寄者」として、文化人としての面や聖なる部分から語られることが多...