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愚直に生きる友のために、市兵衛ができることは?

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うつけ者の値打ち 風の市兵衛辻堂魁さんの大人気シリーズ「風の市兵衛」の15作目、『うつけ者の値打ち 風の市兵衛』が祥伝社文庫より刊行されました。

算盤唐木市兵衛を、北町同心の渋井鬼三次が手下の助弥、蓮蔵とともに訪ねてきた。岡場所を巡る諍いを仲裁してくれという。見世に出向いた市兵衛の交渉はこじれ、用心棒の藪下三十郎と刃を交えるが、互いの剣に惹かれた二人は親交を深めていく。三十郎は愚直に家族を守る男だった……。

今回登場する藪下三十郎は、十一年前にある事件で藩を追われて、浪人となり岡場所の用心棒で細々と生計を立てています。出奔時に上役と交わした約束を守り、国元と一切の音信を断ち、藩の江戸屋敷にも近づかず、ひたすら身を潜めてくらしていました。生まれたばかりの息子の薬礼のための金策で、出世したかつての上役の前に現れるところから物語は始まります。

三十郎は、陸奥岩海領南城家(盛岡藩南部家がモデルか)の元下級武士。愚直ゆえに過去の罪を一人で背負いこみ出奔しますが、約束が破られたと知ったとき……。市兵衛はそんな友のために何ができるのか、今回も物語の展開が気になります。

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『うつけ者の値打ち 風の市兵衛』