時代小説●文庫新刊情報|2025年7月上旬の新刊(1日→10日)
2025年7月1日から7月10日に文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。おすすめの新刊の紹介文は、Amazonの内容紹介より抜粋・編集しています。各タイトルの詳細はAmazon.co.jpの紹介ページからご覧いただけます。
→新刊情報リストを見る
文春文庫
門井慶喜さんの『文豪、社長になる』
天才を見抜く天才であり、芥川賞・直木賞の「父」とも呼ばれる菊池寛。
「通俗者」と揶揄されながらも、『真珠夫人』などの徹底したエンターテインメント作品を生み出し、お茶の間を明るくすることを願い続けました。
生涯を懸けて「文学」を娯楽へと昇華し、映画制作にも関わるなど、エポックメイキングな仕事を成し遂げた彼の生涯と、戦中・戦後を生き抜いた多くの「文豪」や出版人たちの奮闘を描いた、感動の一冊です。
宮部みゆき、有栖川有栖他編さんの『清張の牢獄 松本清張時代短編セレクション』
宮部みゆきさんの参加で、さらに魅力が増した傑作選の第2弾です。
史伝から捕物帳まで、当代随一の読書家たちが自信をもって薦める短編9編を収録。時代小説ファン必読の短編集です。
PHP文芸文庫
江上剛さんの『財閥、最後の日 総帥の決断と「創世(はじまり)」』
明治二十七年、花浦久兵衛は花浦財閥の三代目総帥となりました。しかし、第二次世界大戦の敗戦後、花浦財閥は戦争責任を問われ、GHQ主導による財閥解体の危機に直面します。やがて、GHQ参謀第二部のキャノン中佐率いる一団に花浦邸を接収されてしまいます――。
苦難の末に、久兵衛が見据えた未来とは何だったのか。
三菱財閥総帥・岩崎久彌をモデルに、執事の視点からその生涯を描いた歴史巨編です。
本書は『創世の日 巨大財閥解体と総帥の決断』を改題したものです。
細谷正充編さんの『豊臣家族 歴史小説傑作選』
2026年の大河ドラマの主人公は、豊臣秀吉の弟・秀長です。
天下人・秀吉を取り巻く家族たちの葛藤を、豪華な執筆陣が描いたアンソロジー作品。
【収録作家】今村翔吾、木下昌輝、澤田ふじ子、白石一郎、宮本昌孝、谷津矢車
光文社文庫
有馬美季子さんの『涙の朝: はたご雪月花(八)』
旅籠〈雪月花〉に、南町奉行所の定町廻り同心・山川隼人が、血だらけの女と配下の岡っ引きを連れて駆け込んできました。女が襲われていたところを助けたといいますが、女は意識を失ったままです。
一方、隼人の母も倒れてから意識が戻らず、願いもむなしく、ついにその時が訪れます。落ち込む隼人のもとに、女の意識が戻ったという知らせが届きます。
捕物に執念を燃やす隼人ですが、里緒は隼人との決別を決意します。不器用な同心と若女将の淡い恋の行方は――。
人気シリーズ、感動の最終巻です。
由原かのんさんの『ねこまた: 狸穴素浪人始末』
素浪人・猫矢又四郎は、麻布飯倉町の荒物屋で用心棒を務めています。主家の黒猫・かちんとは“猫吸い”によって会話が可能です。
その界隈では、交合中の男女を刺殺する辻斬り事件が続発し、不穏な空気が漂っていました。そんな折、ある大名家から黒猫の招待状が届きます。
かちんと共に屋敷を訪れた又四郎は、庭の木に残された刃の傷に気づき、この屋敷の主こそが下手人ではないかと疑念を抱きます。
そして数度目の訪問時、又四郎とかちんの前に現れたのは、辻斬りと同じ装束の人物でした。
佐々木功さんの『たらしの城』
愉快、痛快、これぞ秀吉!
若き秀吉こと木下藤吉郎が、天性の“ひらめき”と“愛嬌”で人々の心をつかみ、一夜にして城を築き上げます。
藤吉郎の弟・小一郎をはじめ、次々に仲間が加わり、力を合わせて乱世を生き抜いていきます。
史上まれに見る出世街道を駆け上がった戦国武将・豊臣秀吉の魅力あふれる物語です。
双葉文庫
藤井邦夫さんの『新・御刀番 黒木兵庫【三】-無双流隠密剣』
国許の徒目付・望月小五郎から、水戸城下に不穏な気配があるとの書状が江戸にもたらされました。
藩主・斉脩は事の真相を探るよう、御刀番頭の黒木兵庫に水戸行きを命じます。
兵庫は、十三歳になった斉脩の長子・京之介を密かに同行させ、江戸を出立しますが、その道中、ある宿場で水戸藩士を捜す謎の武家に遭遇します。
兵庫たちを待ち伏せるその男の狙いとは、そしてその正体とは――。
一見のどかに見える水戸城下に渦巻く陰謀に、閑職の御刀番頭が立ち向かいます。書き下ろし人気シリーズの第3弾です。
千野隆司さんの『おれは一万石(33)-火中の富札』
寛政四年七月、高岡藩井上家当主・正紀に、公儀からお国入りの許可が下りました。藩主として初めての帰国ではあるものの、参勤交代の費用に一同が頭を悩ませていた矢先、麻布笄橋を火元とする大火が江戸の町を襲います。
武家地を中心に大きな被害が出た翌朝、様子を見に足を運んだ正紀たちは、焼け跡で一枚の富札を拾います。この札が、やがて思わぬ事件へとつながっていくのです。
大人気シリーズの第33弾です。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし