百物語 浪人左門あやかし指南

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百物語 浪人左門あやかし指南

(ひゃくものがたり ろうにんさもんあやかししなん)

輪渡颯介

(わたりそうすけ)
[ホラー]
★★★★☆

第38回メフィスト賞を受賞した『堀割で笑う女』に続くシリーズ第2弾。百物語とは、怪談・怪異譚を夜通し披露し合うという集まりのこと。怪談とかホラーとか苦手なほうなので、何となく読むのを控えていたが…。

『百物語』は、ホラーというよりは、読み出したら止まらない、謎解きミステリー時代小説で面白かった。奇想天外な設定は、都筑道夫さんのミステリーを想起させる。登場人物により、作中で語られる怪異譚もよく練られていて、物語構成も巧み。夜寝る前に読んでも大丈夫な怖さ加減がちょうどよい。

このシリーズの魅力は、無類の怖がりの甚十郎と、その兄弟子で呑ん兵衛で胡散臭い怪談話を嗅ぎ付けては小遣いを稼ぐ平松左門のコンビが怪異譚の謎に挑むところ。二人のほかにも、生真面目な性格だが酒が入ると途端に人懐っこくなる辻村鉄之助や、仏頂面で何を考えているかわからない土田惣介など、ユニークな登場人物が絡む。いずれも剣客としても凄腕で、チャンバラシーンも痛快で、読み味の良さにつながっている。

◇主な登場人物
苅谷甚十郎:ある藩の剣術師範役候補。幽霊嫌いで怖がり
辻村鉄之助:村松町に剣術道場を構える、甚十郎の兄弟子
谷口庄兵衛:剣術道場主
平松左門:谷口道場の雇われ師範で、怪異話好き
白井善九郎:浪人者で、甚十郎を怪談会の場所へ案内する
土田惣介:ある藩の徒目付
和泉屋茂兵衛:茅場町の太物問屋の隠居で怪談好き
万屋長五郎:加賀町の小間物屋主人
佐平:和泉屋の老僕
高志忠蔵:怪談会に出席した浪人。子だくさん
梶原孫次郎:怪談会に出席した武士。目つきが悪い男
奥田伝右衛門:麻布宮下町の道場主
杉浦大四郎:谷口道場に入門したての若い門人
黒澤八五郎:谷口道場の師範代筆頭
猪熊鹿之助:道場破りの男
戸羽信兵衛:谷口道場の門弟

物語●剣の達人ながら無類の怖がりの苅谷甚十郎が兄弟子のすすめで、怪談会に出席するところから物語は始まる。商家和泉屋の怪談会に出席したのは、三十代の浪人風の武家ばかり八人。集った男たちの話も怖いが、変化する瞬間を見た者は死ぬという掛け軸の女も怖い。甚十郎の怖さもMAXに…。

目次■怪談会顛末(一)/和泉屋茂兵衛により語られた話(一)/天井の足跡/怪談会顛末(二)/和泉屋茂兵衛により語られた話(二)/丑の刻参りの女/調べる/和泉屋茂兵衛により語られた話(三)/それぞれの戦い/終章/解説 三橋暁

カバー装画:おおさわゆう
カバーデザイン:松昭教
解説:三橋暁
時代:明示されず
場所:村松町、浅草橋場町、青物町、金六町、浅草今戸町、諏訪町、加賀町ほか
(講談社・講談社文庫・676円・第一刷2010/03/12・328ページ)
購入日:2011/08/29
読破日:2011/10/08

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