御隠居忍法

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御隠居忍法御隠居忍法
(ごいんきょにんぽう)
高橋義夫
(たかはしよしお)
[伝奇]
★★★★☆

伊賀者の子孫で家督を子に譲り、草深い奥州に住みつく御隠居・鹿間狸斎(しかまりさい)が奇怪な事件を次々解決する連作小説。前から読みたかった作品が遂に文庫になった。
主人公の御隠居・鹿間狸斎の、『剣客商売』の秋山小兵衛を思わせる、飄逸で世慣れた、武芸の達人ぶりが楽しい。若い飯炊きの下女に手をつけてしまい弱みを持っているところまで似ている。

この御隠居が、奇怪な事件を次々に解決していくうちに、笹野藩の御家騒動に巻き込まれながら、よそ者(江戸者)から地元に融けこんでいく、ストーリー展開が見事。この後、『続・御隠居忍法 黄金谷秘録』、『御隠居忍法 鬼切丸』と続く、御隠居の活躍ぶりが楽しみ。

物語●元御広敷伊賀者、御庭番・鹿間狸斎(しかまりさい)は、御隠居とはいえ、まだ四十六で、武芸百般に通じた達人。娘の奈々江が奥州笹野藩の馬廻役の家に嫁ぐのに便乗して、笹野藩の領内に住みついていた。その狸斎のもとに、笹野藩の目明し、五合桝の文次が江戸を荒らし回った火付強盗が領内に逃げ込んできたと伝えた…。

目次■御庭番・鹿間狸斎|見世物小屋の剣客|霊薬妓王光の玉|謙信の首|不死身の男|黒手組|冬人夏草|解説 大野由美子

カバー画:西のぼる
解説:大野由美子
時代:明記せず(天明以降)
場所:奥州笹野藩、五合桝村、天狗角力山、大黒湊、桑折宿ほか
(中公文庫・686円・01/02/25第1刷・294P)
購入日:01/02/23
読破日:01/02/26

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