海狼伝

海狼伝海狼伝
(かいろうでん)

白石一郎

(しらいしいちろう)
[海洋]
★★★★☆☆ [再読]

周囲を海に囲まれた日本だが、イギリスなどと比べると海をテーマにした時代小説は少ない。理由は、江戸時代の鎖国主義と、為政者の立場から、海賊に関する文書を残していないせいらしい。

そんな中で、白石さんほど、海に関する小説づくりにエネルギーを注いだ作家はいない。ぼくが、白石作品にハマってしまったのもそんな訳。

本書は、対馬から瀬戸内海を舞台にしている。巻頭に地図がついていれば、もう少し位置関係が掴めて助かるだが…。対馬の海賊(松浦党)と瀬戸内海の海賊(村上水軍)の違いが面白い。

物語●海と船に憧れを抱いて対馬で育った笛太郎は、宣略将軍、李伏竜のもとで海賊になるが、航海中村上水軍の海賊に捕まり、能島小金吾の手下となる。
海に生きる男たちの夢とロマンを描いた海洋冒険時代小説の最高傑作。第97回直木賞受賞作。

◆海洋時代小説を楽しむための用語(風の呼び名)

南風ハエ
南西風サガリニシ
北西風アナジ
西風マニシ
東風コチ
北東風キタコチ

「クロハエ」といえば、黒雲をともなう南風のこと。ちなみに南東風を何というかはわからない。

カバー:西のぼる
解説:尾崎秀樹
時代:天正二(1574)年、五月
(文春文庫・544円・90/04/10)
購入日:97/1/10
読破日:97/4/20

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