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ペルシャの幻術師

ペルシャの幻術師ペルシャの幻術師
(ぺるしゃのげんじゅつし)
司馬遼太郎
(しばりょうたろう)
[伝奇]
★★★★☆

隆慶一郎さんの本や海音寺潮五郎さんの本の解説で、司馬さんの「ペルシャの幻術師」の話が登場し、以前から気になっていた作品。

「ペルシャの幻術師」は、司馬さんの幻のデビュー作で、昭和31年、第8回講談倶楽部賞受賞作。「戈壁の匈奴」と並んで、日本人が登場しない、海外を舞台にした歴史ロマン小説。その視野の広さ、スケールの大きさに驚く。

「兜率天の巡礼」は、伝奇小説ばかりを集めた、この短篇集の中でもいちばん好きな作品。何とも不思議でちょっとせつない歴史ファンタジー。

「下請忍者」は、下忍という存在にスポットを当てた『梟の城』に通じる忍者小説。

「外法仏」と「牛黄加持」は、密教僧の加持祈祷を扱った短篇。展開の妙。

「飛び加藤」と「果心居士の幻術」は、戦国時代に活躍した不思議な忍びの話。

国民作家として、また歴史小説の大家として近寄り難い印象を与えていた司馬さんの別の面を見れる素敵な作品集だとおもう。

物語●「ペルシャの幻術師」ペルシャ高原の町メナムは、大鷹汗ボルトルに率いられた蒙古軍の支配を受けた。メナムの美姫・ナンはポルトルの求愛を受けていたが…。「戈壁の匈奴」1920年、英国の考古学者で退役軍人が戈壁(ゴビ)の南で、一個の玻璃の壷を見つけた…。「兜率天の巡礼」ポツダム政令により京都の大学を追放された法学博士閼伽道竜(あかどうりゅう)は、洛西の嵯峨野にある上品蓮台院という不断念仏宗の末寺を訪れた…。「下請忍者」伊賀の郷士百地小左衛門配下の下忍猪ノ与次郎は、敵情視察を終え、伊賀喰代に帰ってきた…。「外法仏」僧都恵亮(そうずえりょう)は、中御門大路で市井の巫女・青女(あおめ)と出会った…。「牛黄加持」醍醐理性院の賢覚僧都について真言秘密の法義を学ぶ義朗(ぎろう)は、ある夜、右大臣藤原長実の姫・得子の夢を見た…。「飛び加藤」上杉家の家臣永江四郎左衛門は、京の辻で五尺に満たない小男が牛を呑みこむところを見た…。「果心居士の幻術」果心居士が最初に群集の中に姿をあらわしたのは、天正五年七月、大和葛城山のふもと当麻村の、田の中であった…。

目次■ペルシャの幻術師|戈壁の匈奴|兜率天の巡礼|下請忍者|外法仏|牛黄加持|飛び加藤|果心居士の幻術|解説 磯貝勝太郎

カバー:壁画衆人奏楽図(東京国立博物館)
カバーデザイン:斎藤深雪
解説:磯貝勝太郎
時代:「ペルシャの幻術師」1253。「戈壁の匈奴」1920、1227。「兜率天の巡礼」昭和22年。「下請忍者」永禄四年。「外法仏」天安二年。「牛黄加持」保延三年。「飛び加藤」永禄三年。「果心居士の幻術」天正五年。
場所:「ペルシャの幻術師」メナム。「戈壁の匈奴」西夏。「兜率天の巡礼」洛西・嵯峨野。「下請忍者」伊賀喰代。「外法仏」坂本。「牛黄加持」高倉二条。「飛び加藤」二条柳馬場。「果心居士の幻術」当麻村。
(文春文庫・514円・01/02/10第1刷・368P)
購入日:01/02/18
読破日:01/03/14

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