義輝異聞 将軍の星

ひゃくめ はり医者安眠夢草紙

義輝異聞 将軍の星

(よしてるいぶん・しょうぐんのほし)

宮本昌孝

(みやもとまさたか)
[戦国]
★★★☆☆☆

歴史ロマン傑作『剣豪将軍義輝』の番外編4篇に加えて、室町から戦国時代を舞台にした短篇3篇を収録した短篇集。「紅楓子の恋」は、アンソロジー集『捨て子稲荷』(祥伝社文庫)にも収められている。

『剣豪将軍義輝』のファンへの贈り物のような作品で、義輝とそのファミリーの活躍がまた楽しめるのが何ともいい。こういうのが楽しめるのも、名作ならではの余禄か。「義輝異聞 丹波の黒豆」では、新キャラクターも登場する。

物語●「前髪公方」堀越公方・足利政知の長子・茶々丸は、元服に順当な十五歳に達していたが、家督相続のトラブルから前髪下ろすことが許されなかった…。「妄執の人」足利義視の嫡男・義材(よしき)は、美濃守護代斎藤妙椿(みょうちん)について初陣を果たしたが…。「紅楓子の恋」駿河国富士郡山本村で、色黒で左眼が潰れ、手指が極端に短く、頭ばかり大きく、からだは骨ばって小さく、背中にこぶを背負い、あばたがひどい、醜い男の子が生まれた…。「義輝異聞 丹波の黒豆」十八歳の将軍・義藤(義輝)は、戦に敗れ、丹波方面へ落ち、禁裏御料所の小野山荘の荘官の館に落ち着いた。その夜、伽の女がやってきた…。「義輝異聞 将軍の星」武芸修行中の霞新十郎ら一行は、何者かに拉致されそうになった古河公方の梅千代丸とその母・芳春院を助けた…。「義輝異聞 遺恩」将軍足利義輝が松永弾正と三好三人衆に弑逆されてより、2ヵ月余り、有明の月に照らされ、山路を急ぐ落ち武者のような一団があった…。「義輝異聞 三好検校」松永弾正の家臣・池田小三郎は、炎の荒れ狂う屋敷内で虎視眈々とチャンスをうかがっていた…。

目次■前髪公方|妄執の人|紅楓子の恋|義輝異聞 丹波の黒豆|義輝異聞 将軍の星|義輝異聞 遺恩|義輝異聞 三好検校

装画:『調馬図屏風』(醍醐寺所蔵)
装幀:多田和博
時代:「前髪公方」延徳三年(1491)。「妄執の人」長享元年(1487)。「紅楓子の恋」明応2年(1493)。「義輝異聞 丹波の黒豆」天文二十ニ年(1553)。「義輝異聞 将軍の星」天文二十三年(1554)。「義輝異聞 遺恩」永禄八年(1565)。「義輝異聞 三好検校」永禄八年(1565)。
場所:「前髪公方」稲生沢川、下田・深根城。「妄執の人」尾張・清洲城、美濃国茜部、京・通玄寺。「紅楓子の恋」京・妙心寺、躑躅ヶ崎館ほか。「義輝異聞 丹波の黒豆」丹波・小野山荘。「義輝異聞 将軍の星」渡良瀬川、古河。「義輝異聞 遺恩」近江・矢嶋、勢多橋。「義輝異聞 三好検校」ほか。
(徳間書店・1,700円・00/04/30第1刷・289P)
入手日:00/04/19
読破日:00/04/26

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