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馳けろ雑兵

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馳けろ雑兵馳けろ雑兵
(かけろぞうひょう)
多岐川恭
(たきがわきょう)
[戦国]
★★★☆☆☆

時代小説不遇時代の時代小説で、読んでいて懐かしい感じがする。多岐川さんというと、『ゆっくり雨太郎捕物控』をはじめとする捕物帳や、ピカレスク・ロマンで知られる作家で、戦国ものというと、意外な感じがする。武将たちを取り上げるのではなく、雑兵を主人公とするあたり、一筋縄でいかないところが作者らしい。

一雑兵の視点から信長・秀吉・家康のキャラクターと時代を捉えるのが新鮮だった。主人公の雑兵・蛭間兵八が戦国人らしく、波瀾万丈の生涯を送ることになるのだが、彼の考え方が現代的(小心であったり、少し醒めていたり)で、生き生きとしていて、女好き(しかもちょっとフェミニスト)なのがいい。

物語●蛭間兵八は、父について雑兵として、今川義元の軍勢とぶつかる織田信長の旗本・畑中民部のもとで、初陣に加わった。しかし、馳けづめで苦しくなり脱落して倒れたところを、野良に出た後家・くにに助けられる。回復して、畑中民部のもとへ向うが、戦はすっかり終わっていた…。

目次■桶狭間の女/重い鎧/艶福武者/逃げる運/京の夢/根をおろす/戦陣多情/毒くらえ兵八/兵八死に狂い/解説 縄田一男

カバーイラスト:蓬田やすひろ
解説:縄田一男
時代:永禄三年
場所:清洲、大高、岡崎、京
(光文社文庫・571円・98/12/20第1刷・349P)
購入日:98/12/14
読破日:98/12/25

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