十花の水 広重人情裁き1

十花の水 広重人情裁き1

(とはなのみず・ひろしげにんじょうさばき1)

霜月千尋

(しもつきちひろ)
[捕物]
★★★☆☆☆

絵師安藤(歌川)広重が捕物を扱うという設定に惹かれてGet! 著者は小学校教員を経て、不登校児のための適応指導教室指導員を経て、現在、歴史、時代小説執筆中というプロフィールの人。

タイトルの「十花の水」は南蛮渡来の化粧水だが、製造元も発売元もわからないという。肌のシミ取りに特効があるが、毒性があり、少しずつ食べ物に混ぜれば、気に入らない者を人知れず殺すことができるという。

この「十花の水」にまつわる事件の謎を解くのが、絵師歌川広重(定火消し同心安藤重右衛門)と北町奉行所定廻り同心磯貝小平太である。

作品の魅力の一つは登場する女性キャラクターが個性的に生き生きと描かれていることである。事件に絡む吉沢数馬の恋人・深雪、小平太の恋人で喰い処《伊勢屋》の女将・奈津、広重の新妻・理緒、いずれも印象的だ。

物語●奥州からの帰路の吉沢数馬は、小塚原近くで、十五、六歳の少年・幸太が二十半ばの遊び人風の男・弥蔵を仇 呼ばわりして、仇討ちをしようとしているところに出くわした。二人の間に力の差がありすぎるのを見て、数馬は幸太を助太刀して、仇討ちをやり遂げさせた。その後、数馬は恋人の深雪は、借金のかたに、刀屋の野田屋伊兵衛のところへ後妻に行き、引っ越していた…。

目次■序章 助太刀と伊兵衛殺し/第一章 〈十花の水〉の噂/第二章 定火消し同心、変死探索/第三章 闇の訪問者/第四章 聞き込み/第五章 毒消し売り一味/第六章 一橋家勘定組頭/第七章 人質、幸太/第八章 黒幕/終章 両国之宵月/あとがき

カバーイラスト:安里英晴
カバー装幀:SHOW
時代:文政四年(1821)九月十一日
場所:小塚原、久松町、不忍池畔、寛永寺門前、黒門町、南伝馬町、京橋五郎兵衛町、八代洲河岸、神田川端、御徒町。
(コスミック 時代文庫・571円・04/05/25第1刷・302P)
購入日:04/07/07
読破日:04/08/01

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