橘花の仇 鎌倉河岸捕物控

橘花の仇 鎌倉河岸捕物控橘花の仇 鎌倉河岸捕物控
(きっかのあだ・かまくらがしとりものひかえ)
佐伯泰英
(さえきやすひで)
[捕物]
★★★★☆

江戸に跋扈する悪に立ち向かう若者たちの群像。それを助ける周りの人たちとの人情味溢れる交流。爽やかな青春捕物小説の登場である。

単調やマンネリ、類型化になりがちな捕物に、ヒロインの出生の秘密を織り込ませて、奥行きをつけている。

なお、作品の舞台となる、鎌倉河岸の酒問屋豊島屋は、現在も豊島屋酒店として江戸の味と伝統を今に伝える老舗である。

物語●浪人の娘・志穂は、中気で倒れ、左手が不自由な父に変わり、暮らしを安定させるため、名前をひらがなのしほに変えて、長屋で育った町娘として鎌倉河岸の酒問屋豊島屋に勤めはじめた。こまねずみのように一生懸命働く十六歳のしほは、看板娘として客から愛され、鎌倉河岸裏のむじな長屋で育った幼なじみで十九になったばかりの、船頭の彦四郎、岡っ引金座裏の宗五郎親分の手先の亮吉、呉服屋に勤める手代の政次の三人とは仲良しだった。しほの父・文之進が、湯屋の二階で御家人と橘の鉢をめぐって口論の末、斬り殺された…。

目次■序章/第一話 仇討ち/第二話 逢引き/第三話 神隠し/第四話 板の間荒らし/第五話 密会船強盗/第六話 火付泥棒

装画:浅野隆広
装幀:芦澤泰偉
解説:磯貝勝太郎
時代:寛政九年春先
場所:川越、本両替町、鎌倉河岸、小石川広小路、越中橋、上野池之端、京橋、深川北松代町、蝋燭町、深川六間堀ほか
(ハルキ文庫・840円・01/03/18第1刷・371P)
購入日:01/03/14
読破日:01/03/20

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