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漆の実のみのる国 上・下

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漆の実のみのる国 上
漆の実のみのる国 上・下
(うるしのみのみのるくに)
藤沢周平
(ふじさわしゅうへい)
[武家]
★★★☆☆☆

年末年始を迎える本として、どうしてもこの本が読みたかった。97年に亡くなった藤沢周平さんの遺作(完結しているのが嬉しい)であり、書評等でも好評であり、また正月2日に、童門冬二さんの原作の方だが、「上杉鷹山」がNHKでドラマ化されるということもあったからである。ただ、箱入りでセロハン紙のカバーがかかった上製本という体裁は、庶民派のイメージがある作者らしくなくて気に入らなかった。

読んでみると、新井白石を描いた「市塵」のような評伝風の作品に仕上がっていて意外だった。正直言って、読み手が未熟なせいか、ビジネス書に置き換えて読むこともできず、期待していたほど楽しめなかった。もう少したったら、再読してみたい。

物語●米沢藩江戸家老・竹俣美作当綱は、藩政改革のため、藩政を一手に切り回す藩最大の権力者森平右衛門利真の排除を画策していた。その当時の米沢藩の財政は、窮乏のどん底にあって、藩の体面が保てるかどうかというところまで追いつめられていた。そんな中でかすかな光明は、当綱の学問の師である藁科松伯から伝えられる世子・直丸の明敏さだった…。

目次■なし

装画:歌麿「画本虫撰」より(国立国会図書館所蔵)
時代:宝暦十二年(1762)年
舞台:外桜田御堀通り米沢藩江戸藩邸、米沢ほか。
(文藝春秋・各1714円・各97/5/20第1刷、上97/7/15第10刷、下97/10/20第12刷・上250P、下267P)
購入日:97/12/18
読破日:98/1/2

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