ミステリー

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京極小説の時代小説性

京極夏彦さんの『邪魅の雫』を読み始めた。京極堂シリーズの待望の新作である。新書判サイズで文字が二段組で800ページに及ぶ大長篇。今回もインパクトのあるブロック本スタイル。組版レイアウトも作者の京極さんが担当されている。邪魅の雫 (講談社ノベ...
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口中医桂助と鶉飼いブーム

和田はつ子さんの『花びら葵』を読む。『南天うさぎ』『手鞠花おゆう』に続く、江戸の歯医者・藤屋桂助が活躍する捕物帳「口中医桂助事件帖」シリーズの第三弾。桂助の患者だった廻船問屋橘屋の娘お八重の死をきっかけに、橘屋は店を畳むことになる。背後には...
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浪人と犬が主人公の時代小説

稲葉稔さんの『武者とゆく』を読んだ。稲葉さんは、『ぶらり十兵衛 本所見廻り同心控』『肥前屋騒動 隠密廻り無明情話』『裏店とんぼ 研ぎ師人情始末』など、最近、書き下ろし時代小説を立て続けに発表して、注目される作家の一人。1999年に、坂本龍馬...
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鈴木英治さんと剣豪小説

文庫書き下ろし剣豪小説で、活躍が著しい作家に、鈴木英治さんがいる。1999年に第1回角川春樹小説賞特別賞を『駿府に吹く風』(単行本刊行時に『義元謀殺』に改題)で受賞し、ハルキ文庫で『飢狼の剣』、『闇の剣』(「勘兵衛」シリーズ)、『水斬の剣』...
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近眼の人物が登場する時代小説

仕事中に眼にゴロゴロとした違和感を覚えてまぶたをこすっているうちに、ソフトコンタクトレンズを壊してしまった。使い捨てではなく、スペアもなかったために、片方の目が裸眼という状態で午後の仕事をした。ミーティングやらプレゼンやらで、頭がくらくらし...