単行本★時代小説新刊情報|2022年9月の新刊(1日→末日)
2022年9月1日から9月末日の間に、単行本(新書含む)で刊行される時代小説、歴史関連書の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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松井今朝子さんの『愚者の階梯』
昭和十年、東京。満州国皇帝溥儀が来日し、亀鶴興行は奉迎式典で歌舞伎の名作「勧進帳」を上演。台詞が不敬にあたると国粋主義者が糾弾し、脅迫状が殺到した直後、亀鶴興行関係者が舞台装置に首を吊った姿で発見されましあ。江戸歌舞伎狂言作者の末裔、桜木治郎が大いなる謎に挑む、驚嘆の“劇場×時代ミステリー”。『壺中の回廊』、『芙蓉の干城』に続く、昭和三部作完結。
西條奈加さんの『首取物語』
少年は空腹に耐えかねて、目の前にいる男の握り飯を奪う行為を何度も繰り返していました。それに気づいたとき、首だけの男と出会いました。その男は侍だったと言うこと以外は、少年と同じく過去の記憶を無くしていました。
彼らはなぜ、記憶を無くしているのでしょうか? 男はなぜ、首だけの姿になってしまっているのでしょうか? 直木三十五賞作家の著者が、『千年鬼』に続いて贈る和風ファンタジー。
梶よう子さんの『我、鉄路を拓かん』
明治の初めに、日本初の鉄道が新橋~横浜間に敷かれることになりました。そのうち芝~品川間は、なんと海上を走るといいます。
この「築堤」部分の難工事を請け負ったのが、芝田町の土木請負人・平野屋弥市です。与えられた時間はたった二年余り。弥市は、土木工事を生業とする仕事仲間や、このプロジェクト・チームを事実上率いている官僚の井上勝、そしてイギリスからやってきた技師エドモンド・モレルとともに、前代未聞の難工事に立ち向かっていきます。鉄道開業150年を記念して刊行される本書は、至難のプロジェクトに挑んだ男たちの熱き物語です。
谷津矢車『ええじゃないか』
大政奉還前夜、史上最大の乱痴気騒ぎはなぜ起こったのでしょうか。やくざ者に老婆に童、新米御庭番と御用町人。三河国吉田宿に降った数枚の御札が、彼らの命運を、そして天下をも混沌の渦に陥れていきます。
作家生活10年目を迎えた著者が挑む新境地。
岩井三四二『切腹屋』
江戸時代の裁判である公事の手伝い役・公事師の駆け出し・辰次は負けたら切腹すると大見得を切り、大金三十両の仕事を受けました。が、実は形勢は圧倒的に不利! 必死になる辰次に逆転の目はあるでしょうか? 戦国小説の名手が挑む、人情味豊かに描くエンタメ時代小説。
★2022/09/16追記
鳴海風さんの『鬼女』
駿が好きな数学をやめさせてまで、母の利代は会津藩の掟に沿って、息子を会津武士に鍛え上げます。慶応三年、孝明天皇が崩御し、公武一和は困難になる中、薩長は会津へと兵を進めます。利代は母の優しさを心のうちに抑え込み、会津の誇りをもって駿を戦地に送りました、和算小説の名手が描く、もう一つの白虎隊物語。
★2022/10/16追記
泉ゆたかさんの『れんげ出合茶屋』
夫と離縁してから一人気ままに、女中奉公で暮らしを立ててきた咲。新しい奉公先のある上野不忍池を訪れました。畔のあばら家で待っていたのは、幼い頃に母が咲を伴い奉公していた大店のお嬢様、志摩でした。志摩はあばら家を手入れし、男女が逢瀬を愉しむ“出合茶屋”を開くといいます。お江戸の訳あり女の泣いて笑って心ほぐれる物語です。
千早茜さんの『しろがねの葉』
天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出します。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。
戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山を舞台にした、著者初の時代長篇。
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