時代小説●文庫新刊情報|2025年11月中旬の新刊(11日→20日)
2025年11月11日から11月20日にかけて文庫で発売される時代小説の新刊情報をお届けします。おすすめの新刊の紹介文は、Amazonの内容紹介より抜粋・編集しています。各タイトルには、Amazon.co.jpの詳細紹介ページへのリンクを設定しています。 →新刊情報リストを見る
PHP文芸文庫
細谷正充編さんの『ゆきげしき〈冬〉時代小説傑作選』
寒い夜こそ、人の情けがあたたかいのです。
駆け落ち相手を待つ女、生き別れた母を探す男……。雪を背景に、人の心を描く時代アンソロジーです。
「しずり雪」(安住洋子)では、奢侈が取り締まられ仕事を失った蒔絵職人・孝太が、かつて金を貸した幼なじみの作次から禁令に触れる仕事を持ち込まれます。
「雪の花道」(志川節子)では、客の少ない冬場の余興として、新潟と長岡の遊女屋で“遊女合戦”が行われます。長岡の「柏屋」でも稽古に励む中、お照は酒蔵で働き始めた茂助の存在が気になり始め……。
そのほか、「雪の橋」(梶よう子)、「太鼓橋雪景色」(諸田玲子)、「雪ひとひら」(篠 綾子)、「初雪」(藤原緋沙子)を収録しています。
双葉文庫
坂岡真さんの『はぐれ又兵衛例繰控【十二】-姑獲鳥』
南町奉行所の門前で水茶屋を営む甚太郎とおちよの夫婦に、待望の息子が生まれました。名付け親となった又兵衛は、赤子に「小太郎」と名を授けます。ところがある日、幼子は忽然と姿を消してしまいます。
折しも市井では幼子の神隠しが相次ぎ、〝姑獲鳥〟の仕業との噂が広まります。小太郎を捜す又兵衛は、やがて〝姑獲鳥〟の真の正体を知ることになるのです──。
怒りに月代朱に染めて、許せぬ悪を影裁き。痛快シリーズ第十二弾です。
馳月基矢さんの『姉上、ご成敗ねがいます(1)』
表向きは由緒正しき旗本一家。しかしその実態は、幕府の裁けぬ悪を葬る疑似家族の暗殺集団でした。老中・青山下野守が結成した隠密一家が、悪党の陰謀を暴き、闇に葬ります。
気配を消すことと隠し武器を得意とする小夜、一撃必殺の剣を繰り出す夫、あらゆることを記憶する嫡男、扮装が巧みな部屋住みの義弟──それぞれが特技を持ち、チームワークで「仕事」を遂行します。
仲のよい家族に見えて、実は赤の他人同士。そして小夜の実弟は、火付盗賊改方の役人として潜入中。江戸の闇に潜む非道を、プロ集団が手早くご成敗します。期待の書き下ろしシリーズ、堂々の始動です。
コスミック時代文庫
細谷正充編さんの『行列のできる時代小説 男の料理』
成り行きで新選組に入隊した菅沼鉢四郎が、料理に詳しいという理由で過激派拠点のぜんざい屋に潜入捜査する「ぜんざい屋事件」。
北政所と秀吉の側室・淀君が醍醐の花見の席で料理勝負を行うことになり、料理人に選ばれた男が命を懸けて懐石料理をつくる「包丁奥義」。
大坂の篆刻師が版元に請われ、豆腐料理の本を著すことになる実在の料理本誕生秘話「夏の日の結び豆腐」。
時代小説の名手たち(男性作家)が描く、男たちの“食”の短編傑作集です。五味五色の“男の料理”に、どうぞ舌鼓を打ってください。
収録作家:門井慶喜、火坂雅志、谷津矢車、山田正紀、倉阪鬼一郎
伊丹 完さんの『将軍隠密役 江戸潜入捜査 幕閣斬り』
まさに「芸は身を助く」です──。芝居のうまさを活かし、弟分の京四郎とともに、どんな役にもなりきって悪事を働く輩たちを退治していた倉橋銀次郎。ある日、その活躍が南町奉行・遠山左衛門尉の目に留まり、上様直々の密偵「将軍隠密役」に抜擢されます。
そんな銀次郎に下った新たな密命は、高貴な美女を囲い、女遊びを仕掛けて大金を稼ぐという隠れ里を探し出し、摘発せよというものでした。ただし、その元締めは町方では手出しできぬ高貴な身分の者との噂が……。大名か、それとも幕閣か──いずれにしても、よほどの大物に違いありません。
「だが、そういった黒幕の正体を暴くのが、葵の手札を預かるこの俺の役目だ!」
固く決意した銀次郎は、上様のため、町の安寧のため、許すことのできぬ悪を次々に斬り捨てていきます。
時代小説文庫
坂井希久子さんの『撫子こがし 花暦 居酒屋ぜんや』
桜太が無事に生まれたものの、お妙はなかなか床を上げることができず、「ぜんや」の厨房にはお花が一人で立っていました。
ある日、鼻が利き、とびきり上等な鰹節の香りを纏った二本差しの侍が来店します。
その侍の正体とは──。
栄螺の煮汁で炊いた握り飯、竈の灰に埋めてつくる焼き栗、炙り締め鯖の茶漬け、粉山椒をたっぷりかけた秋刀魚の有馬煮もどき。
心を癒やす料理の数々が、人々の背中をそっと押していきます。
料理と人情が織りなす、傑作人情時代小説シリーズ第九弾です。
櫻部由美子さんの『夢のみちゆき 出直し神社たね銭貸し』
出直し神社の手伝い娘・おけいは、同心・依田丑之助に頼まれ、練馬の子育て寺へ向かいます。
労咳が広がった寺には、三十人近い女児たちが取り残されていました。
おけいは子らの世話にあたり、かつて縁のあったお小夜・おひな姉妹と再会します。
さらに病に伏した尼僧の看病も託され──。
一方、お蔵茶屋〈くら姫〉の主・お妙は、評判を呼ぶ竹取茶屋〈かぐや〉の噂に心を乱されます。
数奇な運命を背負う人々に、縁起のよいたね銭とやり直す力を授ける出直し神社・うしろ戸の婆の深いまなざし。
人情と謎解きが溶け合う、心に沁みる傑作時代小説です。
松下隆一さんの『落としの左平次(三) 忘れ去られた女』
朝露に濡れた草むらに、ひとりの女がうずくまるように横たわっていました。
見習い同心・佐々木清四郎が駆けつけ検めると、女はすでに白骨化していたのです。
着物の袂の裏からは、繊細で美しい蒔絵の櫛が見つかり──。
ひとりで探索することを決意した清四郎は、果たして左平次の助けを借りずに事件を解決できるのでしょうか。
(「忘れ去られた女」より)
表題作のほか、「恨みのかたち」「怒りの左平次」の全三編を収録。
軍鶏鍋、鰻めし、あぶ玉丼……物語を彩る美味しい料理もたくさん登場します。
時代小説の王道をゆく、大人気捕物帖シリーズの第三弾です。
講談社文庫
浅田次郎さんの『兵諫』
一九三六年、東京では二・二六事件の動揺がいまだ収まらないころ、世界に衝撃が走ります。
「西安で張学良が蒋介石の身柄を拘束した」──。張学良の目的は何か。蒋介石の安否はどうなるのか。
取材を進める朝日新聞記者の北村に、陸軍大尉・志津は天命の証である龍玉の話を語り始めます。
壮大なスケールで日中の近現代史を描く、「蒼穹の昴」シリーズ第六部です。
砂原浩太朗さんの『霜月記』
名判官だった祖父、失踪した父、そして重責に戸惑う息子──。町奉行を家職とする三代の男たちの葛藤を描きます。
十八歳の草壁総次郎は、何の前触れもなく致仕して姿を消した父・藤右衛門に代わり、町奉行となります。
名判官とうたわれた祖父・左太夫は、隠居後の退屈を持て余しながらも、若さにあふれる総次郎をまぶしく思い、日々を過ごしていました。
ある日、遊里・柳町で殺人事件が起こります。
総次郎は遺体のそばに父のものと似た根付を見つけ、さらに遺体の傷跡の太刀筋が、草壁家が代々通う道場の流派のものではないかと疑念を抱きます。
さまざまな曲折を経て、総次郎と左太夫はともに事件を追うことになります。
果たして、殺人の真相と藤右衛門失踪の理由とは──。
ハヤカワ文庫JA
羽鳥好之さんの『尚、赫々【かくかく】たれ 立花宗茂残照』
関ケ原が戦場となったのは重なる偶発の結果だった!? 立花宗茂は将軍家光から〝天下分け目〟に関して考えを述べるよう命じられる。神君家康を軽んじる失言をすれば、将軍の勘気に触れる。だが真実を話さねばなるまい……天下無双と呼ばれた男の矜持が輝く歴史長篇
集英社文庫
北方謙三さんの『チンギス紀 十四 萬里』
チンギス・カンは、息子たちや将軍を率い、ホラズム国に大軍で進軍する。
長男ジョチはシル河下流の制圧に向かい、次男チャガタイ、三男ウゲディはオトラル攻略を任された。攻城戦をおこなうため、ボレウとジンの歩兵部隊、ナルスの工兵隊も投入されている。
チンギスは、四男トルイ、ジェべと共にブハラを目指す。
モンゴル軍を迎え撃つのは、帝アラーウッディーンと皇子ジャラールッディーン、イナルチュク、テムル・メリク、そしてマルガーシたちだった。
ホラズム国に遠征するチンギス・カンを、十分な兵力を持つ軍隊が待ち受けていた。
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■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい























































