2023年時代小説SHOWベスト10、発表!

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書院番同心と天保の改革

えとう乱星さんの『書院番殺法帖』を読み終えた。寝る前に少しずつ読んでいたこともあり、読了までに時間がかかった。 書院番とは、江戸城白書院紅葉間に勤番していたことからその名がつけられ、大番組、新番組、小姓組、小十人組と並んで五番組と称される。...
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勘定奉行と紀伊国屋文左衛門

『破斬―勘定吟味役異聞 (光文社時代小説文庫)』は文句なしに面白かった。サブタイトルの勘定吟味役とは、天和二年(1682)、幕府の緊迫した財政に頭を痛めた五代将軍綱吉が創設したもので、勘定奉行所における目付のようなもの。出納を監査し、恣意あ...
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参勤交代をする旗本とは

佐伯泰英さんの時代小説が遂にメジャー系の講談社文庫から刊行された。『変化 交代寄合伊那衆異聞 (講談社文庫)』には、「交代寄合伊那衆異聞」とサブタイトルが付く文庫書下ろしのシリーズだ。 「交代寄合」とは時代小説であまり描かれたことがなく、耳...
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身長120cm台の将軍綱吉

えとう乱星さんの『ほうけ奉行―若宮隼人殺生方控 (ベスト時代文庫)』を読了。10年近く文庫化を待ち続けた甲斐があった、第1作の『かぶき奉行―織部多聞殺生方控 (ベスト時代文庫)』に匹敵する傑作伝奇小説だ。 徳川五代将軍綱吉の生類憐みの令の時...
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ほうけ奉行―若宮隼人殺生方控(1)

えとう乱星さんの『ほうけ奉行―若宮隼人殺生方控 (ベスト時代文庫)』を入手する。大好評の『かぶき奉行―織部多聞殺生方控 (ベスト時代文庫)』に続く、殺生方「奉行」シリーズの第2弾である。殺生方とは、将軍家の狩猟全般を取り仕切るお役目で、斬り...