2023年時代小説SHOWベスト10、発表!

市井人情

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江戸っ子でいるのも大変だな

荒俣宏さんの『男に生まれて 江戸鰹節商い始末』を読んでいる。当初は、「にんべん」こと伊勢屋伊兵衛の、江戸っ子の口舌を再現したつぶやきと、きっぷのいい言動に戸惑いを覚えたが、物語に引き込まれていくうちに、この文体がいちばん適したものであること...
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北の湊町・水潟を舞台にした傑作時代小説集

北重人(きたしげと)さんの『汐のなごり』を読み終えました。「海上神火」「海羽山」「木洩陽の雪」「歳月の舟」「塞道の神」「合百の藤次」の六つの短編を収録した作品集です。  帆が風を捕らえたのだ。船脚が速まり、揺れが鎮まった。 「千世、見ろ」 ...
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北の湊町・水潟を舞台にした傑作時代小説集

北重人(きたしげと)さんの『汐のなごり』を読み終えました。「海上神火」「海羽山」「木洩陽の雪」「歳月の舟」「塞道の神」「合百の藤次」の六つの短編を収録した作品集です。 この本の読書録は、「ほぼ日刊時代小説」に移しました。 汐のなごり (徳間...
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この世で一番恐ろしい人間を描く、陰陽師小説

『逆髪』は土御門家の陰陽師・笠松平九郎が活躍する連作時代小説。陰陽師ものといっても、「この世で一番恐ろしいのは人間、物の怪などおりますまい」と主人公に語らせている。京の町と人情、文化が楽しめる。 逆髪―土御門家・陰陽事件簿〈4〉 (光文社時...
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土佐への郷愁と深川の粋―『牡丹酒』

年末年始に山本一力さんの『牡丹酒』を読んだ。一力作品で、日本酒、土佐と、年末年始っぽい感じがして選んだ一冊。 牡丹酒 深川黄表紙掛取り帖(二) (講談社文庫) 作者: 山本一力 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2009/10/15 メ...