2023年時代小説SHOWベスト10、発表!

江戸

市井人情

霊岸島の下り酒問屋を舞台にした捕物小説

千野隆司さんの『新川河岸迷い酒』を読む。『大川端ふたり舟』に続く、「霊岸島捕物控」シリーズの第2弾である。主人公は、霊岸島富島町一丁目に家がある、岡っ引きの五郎蔵。前作では一人娘のお妙を中心に物語が進んだが、今回は五郎蔵の活躍にスポットが当...
武家

江戸前期を舞台にした無茶勘シリーズが面白い

浅黄斑(あさぎまだら)さんの『残月の剣』を読んだ。越前大野藩の藩士落合勘兵衛を主人公にした「無茶の勘兵衛日月録」シリーズの第三弾である。幼い頃から無鉄砲な行動が多くて、「無茶の勘兵衛」と呼ばれた、越前大野で知らぬ者がいないという落合勘兵衛は...
市井人情

林家正蔵さんが解説を書いた時代小説

和田はつ子さんの『やさぐれ三匹事件帖』を読んだ。和田さんの時代小説といえば、『口中医桂助事件帖』シリーズや『藩医 宮坂涼庵』など、医師を主人公とするもので、捕物小説の中に、江戸の歯科や医療が描かれていて面白く読める。 やさぐれ三匹事件帖 (...
江戸

博多を舞台に、居眠り磐音が活躍する

「ほぼ日刊」とタイトルに付けながら、1週間以上も怠けてしまった。つくづく、ブログは勢いと習慣の賜物だなあと思ってしまう。 さて、ブログを書かなかった間に、佐伯泰英さんの『荒海ノ津』を読んだ。 荒海ノ津 ─ 居眠り磐音江戸双紙 22 (双葉文...
妖・ホラー

根岸肥前守の痛快お裁き帖第三弾

風野真知雄さんの『耳袋秘帖 浅草妖刀殺人事件』を読んだ。奇談集『耳袋(耳嚢)』を書き残した赤鬼奉行こと、根岸肥前守鎮衛が、江戸に起きる怪事件の謎を次々解き明かす痛快お裁き帖の第三弾である。 浅草妖刀殺人事件―耳袋秘帖 (だいわ文庫) 作者:...