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(おに)

高橋克彦

(たかはしかつひこ)
[平安]
★★★☆☆☆

高橋さんの作品には、『白妖鬼』など、鬼をテーマにしたものが多くみられる。超人的な存在を“鬼”になぞらえているケースもある。この作品集では、平安時代の鬼が登場する5つの短編を時代順に掲載している。陰陽師たちの系譜が分かって興味深い。

「髑髏鬼」は、時代を貞観八年(866)に置き、滋丘川人と弓削是雄が登場。「絞鬼」は、元慶六年(882)の弓削是雄を描く。「夜光鬼」では、延長八年(930)の賀茂忠行が主人公に。「魅鬼」は、天慶三年(940)の賀茂忠行と息子・賀茂保憲、弟子の安倍晴明の活躍を。「視鬼」では、永祚元年(989)の安倍晴明を描いている。

それぞれ印象的な話だが、やはり作者が目をかけている弓削是雄が活躍する「髑髏鬼」と「絞鬼」がいい。

物語●「髑髏鬼」弓削是雄は、陰陽寮の権助で伝説的な陰陽師・滋丘川人から深夜に呼び出された…。「絞鬼」陸奥の鎮守府将軍・小野春風は、都から派遣された陰陽師・弓削是雄を苦々しく思っていた…。「夜光鬼」都では菅原道真の操る鬼が群盗を率いているという噂で震撼させられていた…。「魅鬼」平将門が討ち取られてその首が京の東市で晒されていた。賀茂保憲は父親の忠行と見物にでかけ、そこで見たものは…。「視鬼」箒星が出現し、都では怪異が起こり、夜盗が徘徊し人々は不安にかられていた。安倍晴明は、都安堵の呪法を行うべく、華頂山の将軍塚の様子を確かめにいった…。

目次■髑髏鬼(どくろき)|絞鬼(こうき)|夜光鬼(やこうき)|魅鬼(もこ)|視鬼(しき)|単行本あとがき|解説 縄田一男

装画:建石修志
装幀:芦澤泰偉
解説:縄田一男
(ハルキ文庫・476円・99/05/18第1刷・205P)
購入日:00/11/03
読破日:01/01/10

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