2023年時代小説SHOWベスト10、発表!

天女の橋 観相師南龍覚え書き

アドセンス広告、アフィリエイトを利用しています。
スポンサーリンク

天女の橋 観相師南龍覚え書き
天女の橋 観相師南龍覚え書き
(てんにょのはし・かんそうしなんりゅうおぼえがき)
庄司圭太
(しょうじけいた)
[捕物]
★★★★

『沈丁花』(集英社文庫)に続く、観相師南龍覚え書きシリーズの第2弾。捕物に観相を取り入れた新着想に加え、今回は、新薬をめぐる疑惑や新興宗教による布教活動の問題、幼児誘拐などを巧みに話に織り込んでいる。しかも、天保期の権力抗争も描かれていて、面白さに加速度が付いてきた。シリーズものには、最初がいちばん面白いものと、巻が進むほど熟成されていくものがあるが、これは後者の方かもしれない。

物語●「てんつく」南龍に観相を見てもらいに、えびす顔をした紙問屋の主がやって来た。商売がうまくゆうかずに店をたたもうかという相談だった…。「天狐」南龍は、北町奉行所臨時廻り同心、堀井勘蔵から呼び出されて、親類の娘の観相をすることになった。その娘は三日前に、血のべっとりと付いた短刀を持って放心したように歩いているところを見つかったという…。「天女の橋」南町奉行鳥居耀蔵が見世物小屋を一掃すると噂が立ち、浅草奥山は、小屋がなくなってしまう前に一目見ておこうと江戸っ子でにぎわった。その雑踏の中で、南龍は千人にひとりいるかどうかという天女の相をもった女を見かけた…。

目次■てんつく|天狐|天女の橋|解説―面白さを加速した物語 長谷部史親

カバー:蓬田やすひろ
解説:長谷部史親
時代:天保十三年(1842)
場所:「てんつく」上野池之端、日本橋通三丁目。「天狐」上野車坂町、本所石原町。「天女の橋」浅草寺奥山、木更津ほか
(集英社文庫・514円・99/03/25第1刷・270P)
購入日:99/03/21
読破日:99/04/12

Amazon.co.jpで購入