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陋巷に在り 3 媚の巻

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陋巷に在り 3 媚の巻
陋巷に在り 3 媚の巻
(ろうこうにあり 3 びのまき)
酒見賢一
(さけみけんいち)
[中国]
★★★★

ミステリについて触れた2巻目のあとがきもよかったが、今回のあとがきも、星新一さんへの追悼文になっていて温かい気分になった。

「陋巷に在り」の発刊されるペースに合わないせいか、物語の世界に入り込むまで時間がかかってしまう。新しい巻が出る都度、最初から読み直すのが正しい読み方かも知れない。

ともかく、謎の美女・子蓉にスポットが当たった巻のために、今まででいちばんの盛り上がりを見せているように思われる。

◆主な登場人物
孔子:孔丘仲尼。魯の司寇で、儒者
子路:孔子の弟子。季孫家の宰
少正卯(しょうせいぼう):私塾を経営する
顔穆(がんぼく):傴僂の老人
太長老(たいちょうろう):顔氏の長老
顔回:顔氏出身の孔子の弟子
よ(女+予):顔回の恋人
子貢:端木賜。孔子の弟子
悪悦:少正卯の弟子
子蓉:悪悦の妹。媚術を使う
冉伯牛(ぜんはくぎゅう):孔子の弟子

物語●孔子に対抗して塾を構え、急速に勢力を拡大していく謎の人物、少正卯。その屋敷に住む妖艶な美女、子蓉は恐るべき、媚術(いわば性魔術)の遣い手であった。孔子の弟子の子貢は、興味半分に少正卯の塾に通ううちに、子蓉の術の虜となる。
ついに魔の手は、顔回へ及んだ。透徹とした精神と類稀な巫術を備えた顔回さえも、子蓉の掌中に落ちてしまうのか…。

目次■儺/媚/土偶/公伯寮/夜虎/あとがき

カバー装画:諸星大二郎
時代:定公の十一年(前499)
舞台:中国・魯
(新潮文庫・476円・1998/05/01第1刷・311P)
購入日:98/04/25
読破日:98/05/10

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