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そろばん武士道

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そろばん武士道
そろばん武士道
(そろばんぶしどう)
大島昌宏
(おおしままさひろ)
[武家]
★★★★☆☆

「天保リストラ物語」という帯のフレーズと、蓬田さんの装画に惹かれてGet! 作者の大島さんは1999年12月に逝去。福井県出身で生前は横須賀在住だった。時代小説は、『罪なくして斬らる・小栗上野介』、『海の隼―参謀・三浦按針』などの住み慣れた「横須賀もの」と、『九頭竜川』、『結城秀康』などの「越前もの」に大別できる。

本書は、軽そうなタイトルだが、中身は幕末の越前大野藩を背景に、藩財政を立て直した藩士・内山七郎右衛門良休を主人公とした、本格的な歴史小説だ。歳入の八十年分の負債を抱えた藩を立て直すという、ともすれば地味になりそうな話が、激動する世相とあいまってダイナミックに展開され、爽快感をもって読むことができた。また、七郎右衛門の敵役も登場して、小説としての面白さも備えている。

物語●「この度の改革、成否を握るのはそろばんにありと考えまする」
年間の歳入が一万両ほどの越前大野藩は、八十万両を超える負債を抱えて破産同然の危機に瀕していた。藩主・土井利忠ら改革派の執行部が財政再建のために起用したのが、銅山方御用の内山七郎右衛門だった。七郎右衛門は、愛用のそろばんを片手に、斬新なアイデアで改革を次々に断行して行くことになる…。

目次■第一章 更始の令/第二章 銀主たち/第三章 浪花の七兵衛/第四章 藩校・明倫館/第五章 中村重助の死/第六章 商機きたる/第七章 大野屋開店/第八章 蝦夷地探検/第九章 大野丸進水/第十章 負債消ゆ/第十一章 危機続く/第十二章 ご一新/終章 大一揆/あとがき/参考資料/解説 高橋千劔破

カバー装画:蓬田やすひろ
カバー装丁:蓬田やすひろ
解説:高橋千劔破(ちはや)
時代:天保十三年(1842)
場所:越前大野、三国湊、京・姉小路上ル、大坂・玉水ほか。
(学陽書房人物文庫・700円・00/04/20第1刷・378P)
入手日:00/04/19
読破日:00/04/29

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