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付き馬屋おえん 暗闇始末

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付き馬屋おえん 暗闇始末
付き馬屋おえん 暗闇始末
(つきうまやおえん くらやみしまつ)
南原幹雄
[ピカレスク]
★★★★

ここまで凄いピカレスク・ヒロインは始めてである。ヒロインのおえんは、いわば風俗店で遊んだ金を払わない客を対象にした取り立て屋である。遊興代を踏み倒すような、一癖も二癖もある海千山千の相手に対して、20代の初めの小町娘が挑む構図が新鮮。以前、TVで山本陽子さんがおえんを演じていたが、原作のイメージとちょっと違う気がする。

連作形式なのでで、貸し金を払わない客たちがいずれも個性的で(凄く悪い奴ばかりで)面白い。また、おえんの対抗手段もどんどんエスカレートする。

おえんは、特製の鉤縄を携帯武器にしていたが、もう一つの武器は美貌と若い体だった…。

物語●田町小町といわれた美人娘のおえんは、やむにやまれぬ事由から父の跡を継いで、馬屋の主となる。馬屋とは、吉原での遊びの代金を払わない客から店に代って貸し金を取りたて屋である。強談して埒があかなければ、一日もあかさずつきまとい、目的のためには脅し、誘拐、拷問もいとわないし、命を狙われる危険もともなう稼業である。

目次■第一話 付き馬屋おえん/第二話 爪の代金五十両/第三話 暗闇始末/第四話 鉤縄地獄/第五話 かまいたち/第六話 新造あらし/第七話 首吊り女郎/第八話 はらみ文殊/解説 下からの美学 金田浩一呂

カバー:原田維夫
解説:金田浩一呂
時代:天保初年
舞台:浅草田町、吉原、聖天町、深川・島田町、小舟町・中ノ橋、新川ほか。
(新潮文庫・466円・88/9/25第1刷、92/4/10第4刷・342P)
購入日:97/10/30
読破日:98/1/16

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