算学奇人伝

算学奇人伝
算学奇人伝
(さんがくきじんでん)
永井義男
(ながいよしお)
[芸道]
★★★☆☆☆

第六回開高健賞正賞受賞作品。ちなみに、小説での正賞受賞は今回が初めてらしい。開高さんといえば、声を掛けていただいたことはないが、以前仕事の関係でお世話になり、思い出深い方である。とはいうものの、薄情ではあるが、作品を読んだことがなく…。

そんなわけで、本書を手にした。何よりも「算学」を取り上げた着眼点がえらい。また、図形問題が事件の謎を解く鍵として使ったりするのも面白い。算学といえば、宮部みゆきさんの『震える岩』でも、ちょっと出てきてきて関心を持った。ただ、あとがきで楽屋うちを明かされたのは、ちょっと興醒め。

もっと作品が長いと、ポイントが上がるんだが…。文庫本にするとき、加筆してほしいなあ。J・アーチャーっぽいところがもっともっとスリリングになるんだが…。

物語●千住の青物問屋・万徳屋の長男・吉井長七は、古本屋で見つけた「塵劫記」をきっかけに、算学にハマってしまい、家督を弟に譲り、本所石原町に一戸を構え、算学三昧の生活を送っていた。ある日、下男の治助から奇妙なサイコロ賭博の話を聞く。外れるたびに賞金が倍になるという…。

装幀:三村淳
時代:文化十四年(1817)五月
(TBSブリタニカ・1200円・97/4/17発行)
購入日:97/6/9
読破日:97/6/12

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