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深川猟奇心中

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深川猟奇心中

深川猟奇心中

(ふかがわりょうきしんじゅう)

永井義男

(ながいよしお)
[捕物]
★★★☆☆☆

『江戸狼奇談』(ノン・ポシェット=祥伝社文庫)の解説(文芸評論家の清原康正さんに)よると、作者は学生時代に新内(しんない)の岡本文弥師匠に弟子入りした体験をもつという。というわけで、作者の得意の新内浄瑠璃が鍵を握る捕物帳。

北原亞以子さんの『傷 慶次郎縁側日記』で、伊太八という登場人物が“粋な名前じゃないか”といわれたた訳がわかった。新内の「尾上伊太八(おのえいだはち)」に由来するからだ。

考証をしっかり押さえて描いているので、いろいろ物知りになるところが多い。永井さんの作品を読むことが多く、いつも感じているもうちょっと読みたいという不足感がこの作品にはなかった。もちろん冗長ではない。

物語●新内浄瑠璃の名手、鶴賀仲三郎と、師匠の娘・お志づは深川を流す道すがら、遊び人風の侍に呼び止めれる。黒板塀の家の中で見たのは、演じた浄瑠璃「尾上伊太八」のストーリーそっくりの、全裸の町娘と顔を切り裂かれた男の死体だった…。

目次■なし

カバー装画:「千社札のグラフィズム」(マリア書房)
カバーデザイン:菊地信義
解説:枝川公一
時代:文化二年(1805年)ごろ
場所:小網町、根津、富沢町、新川、今戸ほか
(幻冬舎文庫・533円・98/10/25第1刷・255P)
購入日:98/10/10
読破日:98/12/27

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