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陋巷の狗

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陋巷の狗
陋巷の狗
(ろうこうのいぬ)
森村南
(もりむらみなみ)
[幕末]
★★★☆☆

第9回小説すばる新人賞受賞作。著者は受賞当時、大阪芸術大学在学中だった。

帯には「ジャンプ世代の感覚で描き切った強烈弾。…」と書かれていて、ジャンプ世代というのが気になった。まあ、出版元が集英社ということもあるかもしれないが…。

本書を読みながら、京極夏彦さんの「嗤う伊右衛門」が思い出されてならなかった。

坂本竜馬のボディガードを務める主人公・朱楽萬次がどうしても反町隆史(またはTOKIOの長瀬智也)のイメージがしてしまう。しかも、その他に「人斬り以蔵」こと土佐浪人・岡田以蔵と、沖田総司が登場するのだから…。また、新撰組の原田左之助がおいしい役をやっている。

装幀・デザインが新鮮。これがジャンプ世代か。

物語●坂本竜馬は、北野天満宮の初天神の賑わいの中で、沖田総司を含む四人の新撰組に囲まれた。あわやというところで、竜馬の前に助けに入ったのは、用心棒・朱楽萬次(あけらまんじ)だった。朱楽は、茶けた髪を総髪に結い、色白く、目も覚めるような優男で、まだ十七、八歳ぐらいで、まだ少年だったが、すでに人斬りに手を染めていた。

目次■一 初天神/二 人斬り陰陽/三 修羅破/四 殺陣寺田屋/五 地獄果輪廻恋路之都(じごくのはてわこいじのみやこ)

装幀:芹澤泰偉
イラストレーション:林田洋一
コラージュ・枠の絵:絵師金蔵(絵金)作の芝居絵5点より部分
時代:元治元年(1865)正月二十五日
舞台:京、伏見ほか。
(集英社・1165円・97/1/11第1刷、97/2/28第3刷・206P)
購入日:97/9/28
読破日:98/1/21

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