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真説 仕立屋銀次

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真説 仕立屋銀次

(しんせつ・したてやぎんじ)

満坂太郎

(みつさかたろう)
[明治]
★★★★

結城昌治さんの小説を読んで以来、気になっていた明治の掏摸の大親分・仕立屋銀次を描いた長篇小説。

明治二十年代の東京が幕政下の江戸と同じように掏摸の街であったことに新鮮な驚きを感じる。根津の親分こと巾着豊と清水熊が二大親分で、清水熊の跡目を仕立屋銀次が継ぐことになる。“デコ政”、“ネショ吉”、“目細安”、“タコ源”のように江戸の盗賊のように、二つ名というかニックネームがあるところが興味深い。

掏摸の世界に近代化とも思われる合理性をもたらした銀次が、国家警察の体制が整えられて行く過程で、駆逐されていく歴史の非情さを感じさせる作品。

物語●日本橋蠣殻町で仕立屋を営む富田銀蔵(銀次)は、堅気の人間には見えない若い男から、おくにから手を引くように脅された。柔術の心得がある銀蔵は、若い男を撃退した。おくには、十八で週に三回ほどお針を習いにやってくる娘で、両親は下谷に居るらしいが、蠣殻町の伯父夫婦の家で暮らしていた。その伯父夫婦の家で、銀蔵は、おくにが掏摸の大親分清水熊の娘であることを知った…。

目次■第一章 掏摸の家/第二章 東京監獄/第三章 浪華チボ/第四章 火吹竹/第五章 贋金始末/第六章 かわいそ節/第七章 台湾便り/第八章 三宅坂/あとがきに代えて/参考文献

カバー装画:蓬田やすひろ
編集協力:(株)元気工房
時代:明治二十一年(1888)
場所:日本橋蠣殻町、池之端、下谷、上野広小路、新橋ステーション、両国橋、八丁堀、市ヶ谷監獄ほか
(光文社文庫・495円・01/06/20第1刷・281P)
購入日:01/06/09
読破日:01/07/08

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