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猿若町捕物帳 巴之丞鹿の子

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猿若町捕物帳 巴之丞鹿の子

(さるわかまちとりものちょう・ともえのじょうかのこ)

近藤史恵

(こんどうふみえ)
[捕物]
★★★★

ミステリー畑で活躍する近藤史恵さんの捕物時代小説。歌舞伎の世界を題材に取り上げているのが、女性らしい視点が新鮮。

歌舞伎をちゃんと見たことがないくせに、歌舞伎を題材にした小説に惹かれてしまう。昔、戸板康二さんの中村雅楽を主人公にした推理小説を読んで以来のことだ。

無骨で堅物な同心玉島千蔭と若手女形水木巴之丞の取り合わせが絶妙。また、千蔭の周囲を固める人物たちも個性的で楽しい。シリーズ第2弾が楽しみな作品。

タイトルにもなっている巴之丞鹿の子は、少し赤みがかった鼠色の縮緬に、細かい絞りが斑のように入っている、娘が使うには華やぎに欠けるものである。

物語●草履の鼻緒を切ってしまったお袖は、お寺の軒下で雨宿りをしていた。そこへ黒縮緬の紋付を着た武士が飛び込んできた。お侍さんは、親切にも持っていた手拭いを裂いて鼻緒をすげてくれようとしたが、お袖はそのお侍を足で蹴ってしまった…。
大川端に娘の水死体が上がり、同心玉島千蔭は、不機嫌になった。二人目の犠牲者であり、いずれも首に鼠色の鹿の子の帯揚げで絞め殺されていたからである。その帯揚げは、中村座に出ている上方下りの若い女形・水木巴之丞が流行らせたものだった…。

目次■なし

カバーイラスト:茶屋町勝呂
カバーデザイン:幻冬舎デザイン室
時代:明記されず(天保以降)
場所:大川端、猿若町、吉原、永代橋、鐘ヶ淵ほか
(幻冬舎文庫・457円・01/10/25第1刷・214P)
購入日:01/09/30
読破日:01/11/27

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