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博浪沙異聞

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博浪沙異聞
博浪沙異聞

(はくろうさいぶん)

狩野あざみ

(かのうあざみ)
[中国]
★★★☆☆☆

表題作で第15回歴史文学賞受賞。

「博浪沙異聞」(始皇帝の狙撃に失敗した韓の出身の張良が幽境で赤松子と名乗る仙人と中国象棋に興ずる)。「卜筮(ぼくぜい)」(卜筮者に将来を占わせた知伯瑶は、晋陽城に篭る晋の太子張母恤を水攻めにする)。「妖花秘聞」(晋の驪姫といえば、献公の太子の申生、重耳、夷吾を退け、息子の奚斉を太子にした悪女の典型。しかし、それは征服者の歴史?)。「窮鼠の群れ」(徹底した法治主義で秦を強国にした商鞅の最期を描く)。「帝たらんと欲せしのみ」(漢初の異姓の王、淮南王黥布(げいふ)が反乱した理由と劉邦の長期政権への布石)。「覇王の夢」(呉の公子季札は長兄より王位を譲られるが…)。

悲劇の英雄、美姫たちのドラマを爽快に描く歴史小説集。中国の歴史に疎いにもかかわらず、ストーリーを存分に楽しめた。

カバー装画:小林由美子
解説:小谷真理(文芸評論家)
舞台:戦国から前漢初
(新潮文庫・440円・96/1/1)
購入日:1996/7/15
読破日:1996/8/17

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