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龍馬慕情

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龍馬慕情龍馬慕情
(りょうまぼじょう)
加野厚志
(かのあつし)
[幕末]
★★★★

リョウマについて、その表記がずっと気になっていた。司馬作品の印象が強いせいか「竜馬」だと思っていたが、どうやら「龍馬」という方が正しいらしい。司馬さんはフィクション性を強調するためにあえて「竜馬」にしたとのこと。

さて、その龍馬の暗殺についてであるが、縄田さんの解説によると、「別冊歴史読本 完全検証・龍馬暗殺」では、暗殺の真相を8つに絞ってあげている。本書では、そのどれにも該当しない答えを用意している。

あとがきで作者の加野さんは「お龍に惚れた。それが執筆の動機のすべてである」と書いている。そのとおり、本作品ではお龍の眼を通して龍馬や友人の三吉慎蔵らがビビッドに描かれている。単なる時代ミステリーではなく、恋愛小説のカラーも濃く、最後まで面白く読ませてくれる。最新作「鮫」は、本作品の姉妹編らしい、ぜひ読んでみたい。

物語●慶応三年十一月十五日、京・三条の醤油商近江屋の二階で、坂本龍馬と中岡慎太郎が何者かの凶刃に倒れる…。幕末最大のミステリーといわれる、龍馬暗殺事件の真犯人を追い求めて、龍馬の愛妻・お龍が西へ東へ…。

目次■一章 寺田屋襲撃/二章 やすらい花/三章 遥かなる旅路/四章 二人の女/五章 洛中に死す/六章 雪割草/七章 土佐の潮風/八章 伏見哀歌/九章 新都/十章 奈落の燈/十一章 月の桂/終章 決闘/あとがき/解説・縄田一男

カバー:相良常廣
AD:スタジオ・ギブ
解説:縄田一男
時代:慶応二年(1866)年
舞台:京・伏見、長崎、長府、土佐、江戸・本郷筋蓬莱町ほか。
(集英社文庫・705円・97/12/20第1刷・378P)
購入日:97/12/14
読破日:98/1/3

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