くぐつ小町 平安朝妖異譚
(くぐつこまち・へいあんちょうよういたん)
加門七海
(かもんななみ)
[平安]
★★★
♪風水の考え方を日本に当てはめた『大江戸魔方陣』が面白かった加門さんの最新文庫。
小野篁は、文人・歌人として知られる小野岑守の子で、遣唐副使に選ばれながら、大使と争って乗船を拒み、隠岐に配流された人で、解説によると、彼岸と此岸を自在に行き来した人物として知られるらしい。また、小野小町は、謡曲「通小町」や「卒塔婆小町」にあるように、好色にして驕慢、晩年は老醜をさらしたという伝説をもつ。
想像力が欠如しているせいか、なかなか作品に没入できず、ストーリーがつかめずに苦労する。長野さんの解説でやっと、おぼろにわかった。やはり、妖しい恋物語は向かないみたい。
物語●冥府の官・破軍星・野狂と恐れられた魔性の男、小野篁(おののたかむら)。その娘、小野小町。平安京の死門を護る篁が絶世の美女・小町に秘めた闇の呪法とは?
目次■くぐつ小町|解説 長野まゆみ