「半七捕物帳」大江戸歳事記

「半七捕物帳」大江戸歳事記

(はんしちとりものちょう・おおえどさいじき)

今井金吾

(いまいきんご)
[江戸入門]

『江戸っ子の春夏秋冬』(1991年、河出書房新社)を改題したもの。著者は『半七は実在した』で第4回大衆文学研究賞を受賞。江戸の入門書として役に立ちそう。

随所に、『半七捕物帳』からの引用があり、作品に親近感が持てるとともに、いかに物語の中に巧みに江戸の風物を織り込んでいるかがわかる楽しい一冊。時代小説(とくに捕物帳)の魅力の一つは、いかに江戸情緒を感じさせてくれるかであることがよくわかる。
『半七捕物帳』を最初から読んでみたくなった。

読みどころ●岡本綺堂の『半七捕物帳』をテキストに、春(正月・二月・三月)、夏(四月、五月、六月)、秋(七月、八月、九月)、冬(十月、十一月、十二月)の行事や風習を暦順に紹介する江戸ガイドブック。

目次■はじめに 一 江戸の暦/ニ 季節を知らせる二十四節季/三 江戸の時刻|春 正月(初日の出、初詣で 諸大名の御礼登城(年賀) 凧揚げ 年始廻りや門松・屠蘇 万歳や獅子舞い 書初め 歌留多会 六日年越し 七草(七日正月) 蔵開き 十四日年越しと小正月 薮入り 二十日正月と恵比寿講 初大師 鷽替え 春の雪・霰蕎麦・葱鮪 梅見)/二月(初午 お事納めと針供養 春の彼岸 雛市 オランダ使節の江戸入府 彼岸桜や椿)/三月 花見 静かだった上野の花見 芸人の多かった飛鳥山 味も楽しめた向島 いまは失われた御殿山 遠出は小金井の桜 明治の花の名所 桜湯 烏凧 雛祭りと桃の湯 潮干狩 奉公人の出替わり日 三社祭 相撲の春場所 開帳 葉桜の頃)|夏 四月(初鰹 衣更え 雷・雷除け・夕立 蚊帳 藤の花 五月人形の売出し 苗屋や金魚売り)/五月(梅雨と五月晴れ 端午の節句 菖蒲酒や菖蒲湯・菖蒲打ち 府中の闇祭り 単衣 夕涼み 両国の川開き 富士講 稗蒔売り 水出し)/六月(小富士巡り 手習い師匠への入門日 河童天王の祭り 山王祭 氷川神社の祭礼 土用と半七大好物の“鰻” 大山参り 朝顔 甘酒や定斎屋・燈籠売り 半七好みの“きりぎりす”)|秋 七月(虫干し 七夕前夜 七夕の大清書 井戸浚い 銀座の地獄の縁日 四万六千日 草市 お盆 お中元 後の薮入り 二十六夜待ち 虫聞きなど)/八月(八朔 十五夜 深川八幡の祭り 松茸献上 秋の彼岸 深まる秋)/九月(忙しい衣更え 菊人形 十三夜(後の月見) 神田明神の祭礼 芝神明のだらだら祭り 大宮八幡宮の正雪の絵馬 もう眼の前は冬)|冬 十月(炉びらき お十夜 お会式 会式桜 大相撲の冬場所 寒さも厳しい十月末)/十一月(猿若三座の顔見世狂言 酉の市 鞴祭り 素読吟味 七五三 亀戸天神のお火焚き 寒詣り 枯野見や雪見 秩父颪も厳しい十一月末)/十二月(煤掃き 歳の市 節季師走 歳暮 節分 年忘れの催し 御用仕舞い 餅搗き 門松の飾りつけ 才蔵市 師走の江戸の町々 火伏せの橙 大晦日と年越し蕎麦 大晦日の江戸の町)|あとがき――付・江戸の夜――真に暗闇だった江戸の夜/苦労した暗闇のなかの捕物/必需品だった提灯/江戸とあまり変わらぬ明治の夜/終わりに|解説 縄田一男

カバー写真:林明彦
カバーデザイン:間村俊一
解説:縄田一男
(ちくま文庫・760円・01/01/10第1刷・310P)
購入日:01/01/14
読破日:01/02/05

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