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南洲残影

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南洲残影

(なんしゅうざんえい)<

江藤淳

(えとうじゅん)
[歴史論]

難しそうで、なんとなく敬遠していた江藤さんのベストセラー(単行本時に)にチャレンジ。

かつての軍国少年であり、右よりの言動が見られる、江藤さんらしい、激烈な愛国の譜。西郷隆盛への鎮魂歌の形態をとりながらも、それは太平洋戦争のそれであり、現代の日本の憂国の歌でもある。

それでいながら、西郷隆盛の姿はほとんど描かれず、その声はほんとど聞こえない。まさに「残影」を追うといったところだ。

勝海舟作の薩摩琵琶歌「城山」から始まり、落合直文の「孝女白菊の歌」、蓮田善明の「ふるさとの驛」、軍歌「抜刀隊」など、西南戦争ゆかりの歌を織り交ぜながら、硬質でありながら叙情的に西郷の遺したものを明らかにしてゆく。

読みどころ●西南戦争における西郷隆盛(南洲)の「残影」を追い求めた史論。明治政府へ直諌したいという、西郷をはじめとした私学校党勢たちの、思いが爆発した、西南戦争。薩軍の戦法・用兵は拙劣一途に傾き、ついに城山での自決につながる。そこへ至る西郷の心境を詩歌や周辺の人たちの言動を通じて浮き彫りにしていく、一種の評伝。

目次■一 全的滅亡の曲譜/ニ 剽悍無謀/三 白菊の歌/四 ふるさとの驛/五 背面軍進撃/六 「抜刀隊」/七 山中彷徨/八 精神気魄/九 西郷星/十 幻の進軍/エピローグ/あとがき/解説 上村希美雄

装丁:坂田政則
題字:魚住卿山
解説:上村希美雄
時代:明治十年二月
場所:熊本城、田原坂、稲荷山、八代、人吉、竹田、長井村、鹿児島ほか
(文春文庫・448円・01/03/10第1刷・280P)
購入日:01/03/15
読破日:01/04/09

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