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御書物同心日記

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御書物同心日記御書物同心日記
(おしょもつどうしんにっき)
出久根達郎
(でくねたつろう)
[ユーモア]
★★★☆☆☆

だれよりも珍本を多く収集しているのが、将軍家である。という本書の執筆動機が説得力がある。政治家で本の好きなものは稀であり、まして書物が大事なものと認識するものはさらに少ない。そんな中で、家康が無類の愛書家であった、という記述は何やら嬉しい気がする。

あとがきによると、江戸城の書物は、紅葉山文庫に納められ、御書物奉行を置き、御書物方同心という職掌を設け、彼らに文庫を管理させたという。

主人公の丈太郎は、無類の本好きということが買われて、書物同心の家に養子入りしたぐらいで、まさに天職というべき、職場でどのような活躍をするかが見もの。丈太郎と養父・栄蔵の会話が頬笑ましい。

物語●丈太郎は西の丸奥火乃番組頭の三男坊で厄介者だが、本が好きで古本に関する知識はだれにもひけをとらない。その彼が見込まれて、御書物方同心の跡継ぎとなった。新米同心が出合う本をめぐる事件の数々…。

目次■ぬし|香料|花縁|足音|黒鼠|落鳥|宿直|江戸城内の書物――あとがきにかえて

装幀:南伸坊
本文挿絵:中一弥
時代:天保三年(1832)
場所:江戸城紅葉山、本町三丁目、裏四番町通り、土手三番町通り、上野黒門前、茅場町、神楽坂ほか
(講談社・1,600円・99/04/12第1刷・266P)
購入日:99/04/17
読破日:99/04/28

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