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富貴花と累卵の戯

森福都さんの『長安牡丹花異聞 (文春文庫)』を読み終える。 唐の都・長安に住む、利発な少年黄良は病の母のために、夜に輝く牡丹を発明する。唐代、花といえば富貴花、すなわち牡丹のことを指し、一株の牡丹に数万銭を費やすものもいた。混血の偉丈夫崔...
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揚羽の蝶と朝鮮朝顔

帰省先で、佐藤雅美さんの『揚羽の蝶 半次捕物控(上) (講談社文庫)』『揚羽の蝶 半次捕物控(下) (講談社文庫)』を一気に読了する。第1作の『影帳 半次捕物控 (講談社文庫)』と第3作の『命みょうが 半次捕物控 (講談社文庫)』を読んで...
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久々の帰省に持っていく本

久々に、祖先の墓参りを兼ねて1泊2日で生家に帰省することになった。もともと田舎や地元での人付き合いが苦手であまり帰省しないほうであったが、今回も2年ぶりである。親不孝を重ねているが、両親が老齢ということもあり、少しゆっくりと話をしてみよう...
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刺客は小説の中だけで

佐伯泰英さんの「酔いどれ小籐次留書」シリーズの最新刊『一首千両 (幻冬舎文庫―酔いどれ小籐次留書)』を入手する。多くの人気時代小説シリーズをもつ、佐伯さんの中で、もっともオリジナリティのある主人公が登場し、第一作での鮮烈でスケールの大きな...
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この秋は藤沢周平

『蝉しぐれ (文春文庫)』が映画化され、10月1日より全国東宝系でロードショーされる。主演は市川染五郎さん(牧文四郎)、木村佳乃さん(おふく)で、監督は黒土三男さん。NHKドラマ版で、家老・横山又助を演じた柄本明さんが、役柄を変えて映画に...
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石榴と鬼子母神と姑獲鳥

諸田玲子さんの『お鳥見女房 (新潮文庫)』に、幼い男の子が三十過ぎの女に連れ去られる事件を描いた「石榴の絵馬」という話が収録されている。その女は鬼子母神(きしもじん)に石榴(ざくろ)の絵馬を奉納している。 「石榴は人肉の味がすると言い...
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七人の居候

諸田玲子さんの人気シリーズの第1弾『お鳥見女房 (新潮文庫)』が文庫化された。以前から楽しみにしていたこともあり、一気に読破する。帯に「こころがじんわり熱くなる」と書かれていたとおり、読後感が爽やかで人に対してやさしくしてあげたい気になる...
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個性的な家康の側近たち

『御家の狗 (講談社文庫)』を読了。戦国時代末期から江戸初期を駆け抜けた徳川の漢(おとこ)たちの存在感あふれる骨太の生き様を描いた中短篇集で、一話一話が読みごたえがあった。ここで描かれている大久保長安、大久保忠隣、本多正信、本多正純は、単...
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参勤交代をする旗本とは

佐伯泰英さんの時代小説が遂にメジャー系の講談社文庫から刊行された。『変化 交代寄合伊那衆異聞 (講談社文庫)』には、「交代寄合伊那衆異聞」とサブタイトルが付く文庫書下ろしのシリーズだ。 「交代寄合」とは時代小説であまり描かれたことがなく、...
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岡っ引の仕事、引合(ひきあい)

佐藤雅美さんの『命みょうが 半次捕物控 (講談社文庫)』を読んだ。岡っ引の生活実態に迫り、リアリティがあって面白い。解説で文芸評論家の末國善己さんが指摘してあるように、主人公の半次は人情派のヒーローでない、きれいごとばかりを言っていない岡...