秋の夜長に、捕物と時代ミステリー三昧

捕物小説 第4集 秋の夜長は捕物と時代ミステリー捕物出版から季刊で刊行される、『捕物小説 第4集 秋の夜長は捕物と時代ミステリー』を入手しました。

昔の文芸雑誌を想起させるスタイルの時代小説アンソロジー集の第4弾です。昭和に活躍した往年の時代小説家たちによる読み切りの11編を収録しています。

捕物小説の季刊アンソロジー、第4集。
半七、銭形平次、遠山の金さん、若さま侍、加田三七など捕物小説のスーパーヒーローが大活躍。
第4集では半七捕物帳「女行者」、銭形平次捕物控「用心棒」、遠山の金さん「恋占い」、若さま侍捕物手帖「だんまり勘定」、七之助捕物帳「乞食の仇討」、加田三七「雪駄一足首三つ」、河内山宗俊「猫じゃらし」、風車の浜吉「七福神参上」の8編の捕物小説と、柴田錬三郎、眠狂四郎「能面頭巾」、南條範夫、月影兵庫「弱い女が一番強い」、山本周五郎「愚鈍誠忠記」の3編の痛快時代小説を収録。
(本書カバー裏の紹介文より)

おなじみの捕物小説のヒーローたちが勢ぞろいしている中で、今回気になるのは、山本周五郎さんの「愚鈍誠忠記」です。

「愚鈍誠忠記」は、越前福井藩で、人が良く簡単に金を貸すことから陰で愚鈍と侮られている若侍の意外な行動を描いた短編。

「おれは愚鈍な生まれつきだ。けれど愚鈍にはまた愚鈍の取得がある。『愚の努むるは、堪能の足らざるより善し』というじゃないか。おれは何事でもゆっくりと念をいれてやるのが好きだよ」という言葉が印象に残ります。

南條範夫さんの「弱い女が一番強い」は、「素浪人月影兵庫」シリーズの一編ですが、読み切りとしても楽しめる痛快時代小説です。素浪人の兵庫と合点の安が男装の娘の危難を救い、一緒に天童から山形を旅します。

天童が織田氏の領地となった経緯や、山形の領主が何度も変わり、知行高が次第に減っていくことなど、歴史上の興味深い話も織り交ぜながら、物語は展開していきます。

捕物と痛快な時代小説が満載で、秋の夜長に夜更かしが楽しめる一冊です。

季刊捕物小説|捕物出版

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