祝言も決まり、幸せをかみしめる女職人・律に事件が……。

つなぐ鞠 上絵師 律の似面絵帖知野みさき(ちのみさき)さんの文庫書き下ろし時代小説、『つなぐ鞠(まり) 上絵師 律の似面絵帖』(光文社文庫)を入手しました。

本書は、着物などの反物に絵を描く職人・上絵師(うわえし)として仕事に、一人の女性として幼馴染みの涼太への愛に、精一杯生きる律(りつ)の青春を描くシリーズの第5作です。

鞠の意匠をあしらった「鞠巾着」が人気となり、安定した仕事をもらえるようになった律。涼太との祝言の日取りも決まり、幸せをかみしめながら、職人の仕事も一生続けていこうと決意するのだった。そんな折、拐かし一味の女の似面絵を頼まれた律は、仕上げた絵に何か引っかかるものを感じて――。恋に仕事に一途に生きる女職人の姿を描く、人気シリーズ第五弾。
(本書カバー裏の紹介文より)

律は飛鳥山へ涼太と二人きりで花見に行った際に、涼太から他の縁談を断り、「おふくろと親父、勘兵衛にも、お前と一緒になるとちゃあんと伝えた」と、求婚の言葉をもらっていました。
後日、涼太の両親と「顔合わせ」の席で、涼太の母で葉茶屋青陽堂の女将・佐和から上絵師の仕事をどうするのか問われます。律は「夫婦になっても上絵は続けます」と答え、未熟で仕事で失敗することがあることも正直に告げます。

律の意を確かめ、佐和は二人が夫婦になり、青陽堂に嫁ぐことを認め、祝言の日取りが文月の藪入りの前日に決まります。

これまで、二人の恋の進展にやきもきしていた読者の一人として、幸せをかみしめる律に、よかったねと声を掛けたくなります。このまま順調に祝言を迎えられるのか、大いに気になります。

Yomeba!(web光文社文庫)サイトに、「上絵師 律の似面絵帖」シリーズの世界が楽しめる特集ページを掲載中です。表紙装画を担当されている、チユキクレアさんのイラストも添えられ、池見屋の女将・類はイメージ通りです。

「上絵師 律の似面絵帖」の世界|Yomeba! web 光文社文庫

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『つなぐ鞠 上絵師 律の似面絵帖』(知野みさき・光文社文庫)(第5作)
『落ちぬ椿 上絵師 律の似面絵帖』(知野みさき・光文社文庫)(第1作)