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おいらん若君、娘の生き肝を食らう河童の正体を暴く

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おいらん若君 徳川竜之進 凶嵐鳴神響一(なるかみきょういち)さんの文庫書き下ろし時代小説、『おいらん若君 徳川竜之進 凶嵐』(双葉文庫)を入手しました。

吉原一の花魁にして、尾張徳川家の御落胤・徳川竜之進が、浮き世の悪鬼を成敗する痛快伝奇シリーズの第4弾です。

七夕飾りに華やぐ吉原で織姫よりも輝く花魁篝火。美貌も気位も当代一、決して客と同衾せぬ傾城は今宵の彦星も袖にした。それもそのはず、篝火の正体は廓に匿われし尾張の御落胤、徳川竜之進! 憂さ晴らしに隠し隧道から町に出た竜之進は読売屋の楓に聞いた「娘の生き肝を食らう河童」の成敗を決意し、黒幕を追う。だがそれは人生最大の修羅場の始まりにすぎなかった――。“見返り柳剣”が斬るのは悪か、過酷な運命か。風雲急のシリーズ第四弾。
(文庫カバー裏紹介文より)

さて、前巻に続き、本巻でも楓の読売に書かれた怪事件を、竜之進が追います。

赤坂の溜池に、ひと月の間に三人の娘の亡骸が立て続けに浮かび、すべての娘の腹は刃物で切り裂かれていました。養生所の医者が検死をすると、遺骸からはらわたと肝が抜かれているとのこと。

誰の仕業か町奉行所の同心衆が悩んでいるところ、桐畑あたりの池畔で茶店を営む親爺が河童を見たといいます。河童は人の尻子玉を抜くといい、人の生き肝を食らうといいます。池端を通りかかった娘たちを河童が水中に引きずり込んで、その生き肝を抜いたのでしょうか。

河童の存在を疑う竜之進は、溜池で無残に殺された娘たちのことを思い、激しい怒りが渦巻き、河童の正体、黒幕を暴こうと乗り出します。

ところが、竜之進の前に恐るべき強敵が現れます。

事件が起こった赤坂溜池から桐畑にかけては、後の時代に、歌川広重の「名所江戸百景」で、「赤坂桐畑」「赤坂桐畑雨中夕けい」「紀乃国坂赤坂溜池遠景」と3枚の絵に描かれている、風光明媚な場所でもあります。

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『おいらん若君 徳川竜之進 凶嵐』(鳴神響一・双葉文庫)(第4巻)
『おいらん若君 徳川竜之進 天命』(鳴神響一・双葉文庫)(第1巻)