下積み時代の十返舎一九が怪奇事件に挑むシリーズ最終巻

十返舎一九 あすなろ道中事件帖 新月の夜木村忠啓(きむらちゅうけい)さんの文庫書き下ろし時代小説、『十返舎一九 あすなろ道中事件帖 新月の夜』(双葉文庫)を入手しました。

本書は、家も妻子も捨てて、戯作者として名を立てるべく、大坂から江戸に出てきた、重田貞一(のちの十返舎一九)が、北町奉行・小田切土佐守の命で捕物を手伝う、シリーズ第3弾です。

著者は、『慶応三年の水練侍』で第八回朝日時代小説大賞を受賞し、『ぼくせん 幕末相撲異聞』などのスポーツ時代小説で注目される、新進気鋭の時代小説家です。

重田貞一(のちの十返舎一九)と岡っ引きのの岩徳は、稲荷神社で人殺しを目撃する。斬られたのは評判の蕎麦屋の主人・伝兵衛であった。下手人は狐の面を被っており、なんと目の前で瞬時に消えた。伝兵衛に借金があった浪人に疑いがかかるなか、伝兵衛の妻・お初が自訴する。だが、お初の供述は二転三転。複雑怪奇な伝兵衛殺害の真相は、実に驚くべきものだった――。数々の大事件に接して知った人間のどうしようもない愚かさ、人生のやるせなさ。貞一が戯作者への道でついに飛翔せんとする。好評シリーズ最終巻!
(本書カバー裏の紹介文より)

本書はシリーズ最終巻です。岡っ引きの岩徳と息を合わせて複雑怪奇な事件に立ち向かいながら、戯作者を目指して修業中の貞一が『東海道中膝栗毛』の着想を得ていくまでが描かれています。

貞一は、十手術の名手で、萎し(なえし)と呼ばれる武器と組み合わせた朧十字の構えから繰り出されるアクションシーンも見どころの一つです。

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『十返舎一九 あすなろ道中事件帖 新月の夜』(木村忠啓・双葉文庫)(第3作)
『十返舎一九 あすなろ道中事件帖 銀色の猫』(木村忠啓・双葉文庫)(第2作)
『十返舎一九 あすなろ道中事件帖 悪女のゆめ』(木村忠啓・双葉文庫)(第1作)