杉良太郎さんの時代劇でおなじみ、往年の名作捕物小説が甦る

新五捕物帳陣出達朗(じんでたつろう)さんの捕物小説をオンデマンド印刷で復刊した、『新五捕物帳』(捕物出版)を入手しました。

本書は、1992年に春陽堂書店から刊行された春陽文庫版を底本にオンデマンド本として復刊したものです。

子供のころ、町の本屋さんに行くと、文庫コーナーの一角で、春陽文庫の時代小説が並んでいたのを思い出します。その頃は、時代小説に興味がなくてスルーしていましたが、今考えると少しもったいない気がします。

著者の陣出達朗さんは、1907年石川県小松市生まれで、1986年に亡くなられた小説家です。

映画の日活の脚本家から作家に転身し、『遠山の金さん』シリーズ、『伝七捕物帳』シリーズの作者として知られています。

昭和52年より5年間にわたって196話が放映された、杉良太郎氏主演の人気テレビ時代劇、「新五捕物帳」の原作。
著者の陣出達朗氏は、法に従って行動し庶民の味方として活躍するお上御用聞の理想像として駒形の新五を描いた。
「うわなり騒動」、「悪女ばやり」の2編の中編の他に、「お千代舟」、「蛇を刺す蛙」、「女難の十手」、「江戸の鎌いたち」の短編4作を収録。
なお、表紙および裏表紙には、杉良太郎氏のご厚意によって提供いただいた、杉良太郎氏演ずる「駒形の新五」のスチル写真を用いています。
(Amazon.co.jp 内容紹介より)

「うわなり騒動」の話では、中世から江戸初期まで行われていた後妻打ち(うわなりうち)が事件のモチーフになっていています。物語の舞台となった天保時代に、当時は既に廃れていた風習を登場させたところが興味深いです。

うわなりとは「嫐」とも書き、後妻のこと。夫がそれまでの妻を離縁して1か月以内に後妻を迎え入れたとき、先妻が予告した上で後妻の家を襲うというもの。

表紙の杉良太郎さんが若々しく颯爽といていて、二十六歳にして売り出し中の捕物名人という原作の設定にピッタリです。

テレビ時代劇の「新五捕物帳」は、1977年(昭和52年)10月18日から1982年(昭和57年)11月16日まで、日本テレビ系列にて毎週火曜日20時より全196話が放映されました。

ウィキペディアによると、杉さんの拘りから、時代考証に則った時代劇で、第1回の脚本は、池田一朗(後の小説家、隆慶一郎)さんが担当されたそうです。再放送があれば、ぜひ見てみたいです。

■Amazon.co.jp
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