半端者の若者を主人公に、ユーモアを交えて描く異色の捕物小説

半ちく半助捕物ばなし古山高麗雄(ふるやまこまお)さんの捕物小説をオンデマンド印刷で復刊した、『半ちく半助捕物ばなし』(捕物出版)を入手しました。

本書は、1977年に新潮社(1981年に集英社文庫)から刊行された作品をオンデマンド本として復刊したものです。

著者の古山高麗雄さんは、1920年8月6日生まれで、2002年3月に81歳で亡くなられた、編集者、小説家です。

1970年に「プレオー8の夜明け」で第63回芥川賞を受賞し、受賞作をはじめ自身の従軍体験をもとにした戦争文学作品で知られています。

「プレオー8の夜明け」で第63回芥川賞を受賞した古山高麗雄は戦記文学作家として著名だが、その著者が昭和51年から翌年にかけて「週刊新潮」に連載した長編捕物小説。芥川賞作家が捕物小説を手掛けた例は非常に少なく、その意味でも貴重な1編。
御用聞の手先をつとめる半助は何をやっても中途半端、ウジウジとあれこれ思案するが実際の行動には踏み切れない。そんな半助が事件に巻き込まれていくのだが、一向に解決には向かわず、思わぬ方向に展開してしまう。
兵士の眼で見た戦記文学で定評のある著者ならではの、独特な視点で描かれた、ユーモアとペーソスにあふれた異色捕物小説。
勧善懲悪・捕物名人が活躍し難事件を解決…、というのが捕物小説の王道だとすれば、これほど異端的な作品は無いかもしれない。
(Amazon.co.jp 内容紹介より)

古山さんが時代小説を発表されていたことは最近まで知りませんでした。

本書の主人公の半助は、振り売りの煮豆屋をやるかたわら、岡っ引の手先の中でも一番の下っ端な存在です。

二年も勤めながらも、親分に褒めてもらえるような働きが一つもない、やることも「半ちく」、性格も「半ちく」で、仲間から「半ちくの半助」と侮蔑的なあだ名をつけられています。

「半ちく」とは、はんぱなこと。また、中途半端なさまをいう、江戸時代から続く言葉です。

そんな異色の主人公が活躍する、本書を楽しみたいと思います。

■Amazon.co.jp
『半ちく半助捕物ばなし』オンデマンド本版(古山高麗雄・捕物出版)
『プレオー8の夜明け (P+D BOOKS) 』(古山高麗雄・小学館)

半ちく半助捕物ばなし
古山高麗雄
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