島抜けの追われ者、丹次は、行方知れずの兄を救えるのか?

追われもの(二) 孤狼金子成人(かねこなりと)さんの文庫書き下ろし時代小説、『追われもの(二) 孤狼』(幻冬舎時代小説文庫)を入手しました。

「鬼平犯科帳」「御家人斬九郎」などのテレビ時代劇の脚本家として知られ、初の時代小説「付添い屋・六平太」も大ヒットシリーズとなった金子成人さんの注目の時代小説シリーズの第2作です。

出来損ないの自分にいつも優しかった兄の窮状を知って、流刑先の八丈島から島抜けをした博徒の丹次。追われ者でありながらも、家業が潰れて消息不明となった兄の行方を追うサスペンス時代小説です。

日本橋の乾物問屋に生まれながらも博徒の道を歩んできた丹次。できそこないの自分にいつも優しかった兄・佐市郎の窮状を知り、八丈島から決死の覚悟で島抜けした。ようやく着いた江戸で佐市郎や家業を潰した兄嫁と情夫の行方を捜すが、追われ者の身ではままならない。そんな折、ふと懐かしい悪友の顔が浮かび……。人情沁みるシリーズ第二弾。
(本書カバー裏紹介より)

二十一歳で親に勘当されて人別帳から消されて無宿人となった丹次は、浅草橋場の博徒、欣兵衛の子分となりましたが、二十三の年に賭場に踏み込んだ役人に捕まり、遠島の刑に処せらえて八丈島に流されました。

後から同じ島に流されてきた昔なじみの博徒から、実家の『武蔵屋』が兄嫁によって引っ掻き回された末に、商売を傾かせて、隠居していた両親は首を吊って死に、兄夫婦の行方はわからないという。

決死の覚悟で島抜けをした丹次ですが、江戸に入っても、島抜けをした重罪人ということで親類縁者や知人友人を頼ることもままならず、兄の行方は杳としてつかめません。

丹次は、追手の影におびえながら探索を進めると、隠された事実が次第に明らかになります。過酷な運命の中で知る、人の情の温かさ。
作者による映像化(時代劇化)を妄想しながら、本書を楽しみたいと思います。

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『追われもの(二) 孤狼』(金子成人・幻冬舎時代小説文庫)
『追われもの(一) 破獄』(金子成人・幻冬舎時代小説文庫)